【人生を変える聖書のメッセージ#50】「なぜ、イエスは風を叱りつけたのか?」マルコ 4:35-41

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はじめに

イエスは起き上がって、風をしかりつけ、湖に「黙れ、静まれ。」と言われた。

聖書(マルコの福音書4:39)

この箇所を読んで、おかしいと思うところはありますか?

風を叱りつけ、湖に「黙れ、静まれ。」と言う人を見た事ありませんよね?
しかも、イエスさまが叱りつけた後、風はやみ、波も静まったのです。

なぜ、「イエスさまは風を叱りつけたのか?」

前後の文脈を見ると答えが分かります。

こうしてイエスは、ガリラヤ全地にわたり、その会堂に行って、福音を告げ知らせ、悪霊を追い出された。

聖書(マルコの福音書1:39)

イエスははじめにユダヤで、次にガリラヤ地方で宣教を始められました。

BC722からアッシリヤ帝国からの移民がなだれ込み、それ以来「異邦人のガリラヤ」と呼ばれました。

イエスさまは「神の御国」の福音を宣べ伝えるために異邦人の地へ宣教を広げられていました。
今回の嵐も、ガリラヤの中心都市カペナウムから船でガリラヤ湖を渡り、ゲラサ人の地に行く途中で起こりました。
ゲラサ人の地方も異邦人の地です。

神の御国が異邦人の地に広がっていくのを最も恐れているのは誰でしょうか?

サタンです。

イエスさまは嵐を使って宣教の働きを邪魔するサタンに対して叱られたのです。

イエスさまの使った言葉を見てもそれがわかります。イエスさまは前に、悪霊を追い出す時にしかって、「黙れ!」と同じことばを使っています。

イエスは彼をしかって、「黙れ。この人から出て行け。」と言われた。

聖書(マルコの福音書1:25)

現代を生きるクリスチャンである私たちに対しても、サタンは嵐や波のような様々な手段を使って攻撃して来ます。その時、私たちは弟子たちのように恐くなり、助けて!と叫びます。

しかし、イエスさまは弟子たちに信仰がないといいました。

イエスは彼らに言われた。「どうしてそんなにこわがるのです。信仰がないのは、どうしたことです。」

聖書(マルコの福音書4:40)

イエスさまに従っていく私たちがするべきことはただ一つです。
それは、どんな状況になってもイエスさまに絶対的な信仰を持つことです。

今日は恐れることのない堅い信仰を持つために知らなければならない3つのことを見て行きたいと思います。 

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イエスさまに従っていくなら、

①サタンの攻撃がある

私たちの格闘は血肉に対するものではなく、主権、力、この暗やみの世界の支配者たち、また、天にいるもろもろの悪霊に対するものです。

聖書(エペソ人への手紙6:12)

もちろん、すべての上に神がいるのですが、この世の支配者サタンは自然の力も利用して私たちを怖がらせる事ができます。なぜ、今回弟子たちは恐れたのでしょう?それは嵐によって船が沈没して死ぬかもれなかったからです。

すると、激しい突風が起こり、舟は波をかぶって水でいっぱいになった。

聖書(マルコの福音書4:37)

ガリラヤ湖は午後に船を転覆させるほどの激しい嵐がよく起ったので、弟子たちは漁師としての経験や、船が水でいっぱいになっている現状から、論理的に考えて死ぬかもしれないと思ったのです。 

ヘブル人への手紙2:14-15にあるように、サタンは死の恐怖を使って弟子たちを攻撃したのです。

では、なぜサタンは私たちを攻撃するのでしょう?

今回の箇所から2つの理由がわかります。

a. 福音が広がることを妨害するため

イエスさまの宣教には常に悪霊の邪魔がありました。

マルコ一章ではイエスさまはサタンの誘惑を受け、悪霊を追い出し、三章ではイエスさまは悪霊ベルゼベルについて説明し、四章では種まきの例えの中でサタンがみことば取ってしまう例えを話されます。

しかし、イエスさまが十字架で死なれ復活されたことにより、サタンは完全に敗北します。
なぜなら、イエスさまを信じるならば私たちの罪は赦され、神さまのものとなるからです。
そして、来たる日がくると、サタンは神さまに完全に処罰され地獄に行くことが聖書で書かれています。

なので、サタンはそれまでに、なんとか一人でも多くの人間がイエスさまを信じる事のないように邪魔をしているのです。

サタンが私たちを攻撃する二つ目の理由は

b. クリスチャンの信仰を失わせるため

サタンはクリスチャンに対しても信仰を失うように一生懸命誘惑します。今回の箇所では嵐で弟子たちを怖がらせました。

ところがイエスだけは、とものほうで、枕をして眠っておられた。弟子たちはイエスを起こして言った。「先生。私たちがおぼれて死にそうでも、何とも思われないのですか。」

聖書(マルコの福音書4:38)

イエスさまが一緒にいるのにも関わらず、弟子たちは怖がって「もう死んでしまう!」と絶望したのです。サタンはあらゆる手段を使って私たちの目をイエスさまから離させようとしています。

クリスチャンになったばかりの時を思い出してください。救われた喜びで毎日が楽しく、祈ればすぐに聞かれます。
しかし、クリスチャンになって数年経つと急に祈りが聞かれないと感じたり、仕事や家庭、また教会の中でさえも様々な問題に直面し、

「なんで、イエスさまを信じた後の方が辛いことが起こるんだ?」
「なんで、教会の中で、クリスチャン同士なのにこんな問題が起こるんだ?」

このような時にイエスさまだけを見続け、信じ続けるひとはたくましく成長していきます。

しかし、イエスさまではなく、人を見てしまう人はまんまとサタンの思うツボにはまってしまいます。そうやって教会を去って行く人も少なくありません。

最悪の場合、信仰をなくす人もいます。

イエスさまに従っていくなら、サタンがいつも、私たちを怖がらせ、失望され、信仰から離れるように誘惑しているということを忘れないようにしましょう。

②イエスさまには権威がある

イエスは起き上がって、風をしかりつけ、湖に「黙れ、静まれ。」と言われた。すると風はやみ、大なぎになった。

聖書(マルコの福音書4:39

a. すべての創造物を従わせる権威

サタンは罪で堕落したこの世を支配していますが、もちろんすべてを支配しておられるのは神です。そのことを最もよく表わしているのが、旧約聖書でも書かれている嵐や波を静める神さまの姿です。これは来たるべきメシアであるイエスさまの預言です。

海がふき出て、胎内から流れ出たとき、だれが戸でこれを閉じ込めたか。そのとき、わたしは雲をその着物とし、黒雲をそのむつきとした。わたしは、これをくぎって境を定め、かんぬきと戸を設けて、言った。「ここまでは来てもよい。しかし、これ以上はいけない。あなたの高ぶる波はここでとどまれ。」と。

聖書(ヨブ記38:8-11)

あなたは、海のとどろき、その大波のとどろき、また国々の民の騒ぎを静められます。

聖書(詩篇65:7)

あなたは海の高まりを治めておられます。その波がさかまくとき、あなたはそれを静められます。

聖書(詩篇89:9)

イエスさまには「たった一言」ですべての創造物を従わせる権威がありました。イエスさまのみことばに力があります。

b. 悪霊を従わせる権威

嵐が静まり、船がついたゲラサ人の地でもイエスさまはレギオンという名の悪霊を追い出します。その悪霊はイエスさまにこういいます。

大声で叫んで言った。「いと高き神の子、イエスさま。いったい私に何をしようというのですか。神の御名によってお願いします。どうか私を苦しめないでください。」
私たちにとってどんなに強力な悪霊でもあってもイエスさまの前では恐れてしまいます。このお方が私たちの信じている神さまなのです。

聖書(マルコの福音書5:7)

③私たちにその権威が与えられた

誰がその権威を与えたのでしょうか?

a. イエスさまが私たちに権威を与えられた

船に乗る前に、イエスさまは多くの弟子たちの中から、十二弟子を選びました。なぜ、十二弟子を任命されたのか?

そこでイエスは十二弟子を任命された。それは、彼らを身近に置き、また彼らを遣わして福音を宣べさせ、 悪霊を追い出す権威を持たせるためであった。

聖書(マルコの福音書3:14-15)

3章によると…
1. 福音を宣べる権威
2. 悪霊を追い出す権威

イエスさまは嵐が起こる前にすでに悪霊を追い出す権威を与えられていたのです。

イエスさまが嵐の中でも寝ていた意味がわかりましたね?

すると、激しい突風が起こり、舟は波をかぶって水でいっぱいになった。38. ところがイエスだけは、とものほうで、枕をして眠っておられた。

聖書(マルコの福音書4:37)

暴風雨で、しかも水びたしの状態ではいくら疲れているといったからといって熟睡できるはずがありません。
イエスさまは弟子たちが悪霊を叱りつけるのを待っていたのです。だから、

イエスは彼らに言われた。「どうしてそんなにこわがるのです。信仰がないのは、どうしたことです。」

聖書(マルコの福音書4:40)

と言われたのです。

私たちにも同じ権威が与えられています。

信じる人々には次のようなしるしが伴います。すなわち、わたしの名によって悪霊を追い出し、新しいことばを語り、

聖書(マルコの福音書16:17)

あとは私たちが信仰をもってサタンに立ち向かうか、弟子たちのように恐れてしまうかです。

では、なぜ、私たちに権威が与えられたのでしょうか?

b. 一人の魂への愛のため

それは、私たちが悪霊の攻撃から守られるためだけではありません。私たちが悪霊を追い出し、霊的戦いをすること自体が目的ではありません。

イエスさまが弟子を連れて、向こう岸のゲラサ人の地に行った理由はなんだったのでしょう?イエスさまがされたことは、異邦人の地で、レギオンという悪霊につかれた人を解放したことでした。
しかし、ゲラサ人の地の人々がイエスさまを追い払ったので、また船に乗って同じ場所に帰られたのです。

そして、イエスのところに来て、悪霊につかれていた人、すなわちレギオンを宿していた人が、着物を着て、正気に返ってすわっているのを見て、恐ろしくなった。見ていた人たちが、悪霊につかれていた人に起こったことや、豚のことを、つぶさに彼らに話して聞かせた。すると、彼らはイエスに、この地方から離れてくださるよう願った。

聖書(マルコの福音書5:15-17)

これは今でいうたった一日の短期宣教です。

たった一人のためにイエスさまは多くの群衆を湖の向こう岸に置いて、嵐の危険をおかしてまで異邦人の地に行きました。

なぜ、イエスさまはわざわざこんなことをしたのでしょうか?

それは弟子たちに教えるためです。

悪霊を追い出し、人々を罪と悪霊の支配から解放することが宣教の働きであるということを教えるため。
人々がイエスさまが神であるということを信じ、悪霊に支配される生活からキリストに従う人生へと変えられる必要があるということを教えるため。
そして、イエスさまがたった一人の魂をどれほどまでも愛しているかを教えるためです。


まとめ

私たちがイエスさまに従っていくなら…
①サタンの攻撃があります。
②しかし、イエスさまには権威があり、
③私たちにその権威が与えられました。

あとは私たちがその権威を行使するかどうかです。どうやってその権威を使えばいいのでしょうか?
それは単純です。信仰によってです。

イエス・キリストの御名を宣言するならば、すべての悪霊は去っていくのです。

いつもあなたとともにおられる聖霊さまを軽くみないでください。あなたは悪霊が怖がるイエスキリストの御名を知っており、聖霊さまがあなたとともに歩まれているからです。

愛する皆さん。
「自分なんかはできない」と言わないでください。
過去にこんな罪を犯したから、今こんな罪を犯しているから私が神の働きのために立ち上がれるはずがない。

それらは偽りです。

もちろん、私たちは罪深いのです。
私たちには神の働きをする力なんかないのです。

しかし、私たちが自らの罪と弱さを認め、キリストの十字架の福音を受け入れるならば、神は私たちを用いられるのです!

愛する皆さん。私たちの世界には多くの悪があります。貧困、戦争、売春、病…悪霊が人を使い、また人同士が苦しめ合うようにしています。誰がこの悪霊の支配からキリストの支配へと解放するのでしょうか?

私たちです!

また、私たちの周りに悪霊に苦しめられているひとはいないでしょうか?

ほとんどの人が言わなくても罪責感で苦しんでいます。悪霊はそれを責めたてます。また悔い改めに導かないように、他の物でその埋め合わせをさせようとします。悪霊は人々の罪を助長して、キリストに目が向かないように策略を巡らしているのです。

誰が人々をこの悪霊の働きから解放するのでしょうか?

私たちです! 

いつまでも恐い恐いと安全地帯から抜けだそうとしない態度を悔い改めましょう。

いつまでも恐い恐いと言って、すでにイエスさまが与えられた悪霊を追い出す力を信じない不信仰を悔い改めましょう。

いつまでも恐い恐いと言って、自分のことばかり考え、イエスさまを知らないがゆえに苦しんでいる周りの友を見殺しにしている愛のなさを悔い改めましょう。

イエスキリストが嵐による命の危険を犯してまでも、たった一人の魂への愛のために進んで行ったように、一人でも私たちの周りにいる人が、すでに勝利されたイエス・キリストの御名により、すべての悪霊、罪のしがらみから解放されるように、信仰をもって立ち上がることができるように主に祈っていきたいと思います。

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この記事を書いた人

牧師。ライフコーチ。
1985年札幌で生まれる。小樽商科大学を卒業後、三菱UFJ信託銀行で3年間勤務。関西聖書学院(KBI)で1年間聖書を学ぶ。CCC(Campus Crusade for Christ)短期宣教を通じて出会った、当時CCC専任スタッフのク・ソンリムと2012年に結婚。2013年から3年間ソウル・オリュン教会日本語礼拝部伝道師として仕えつつ、トーチ・トリニティ神学大学院英語コース修士課程(Torch Trinity Graduate University/Master of Divinity)を修める。2016年から3年間、母教会札幌キリスト福音館で牧師として仕えた後、2019年より、札幌ガーデンチャーチを開拓。

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