アドラー心理学をわかりやすく解説した『嫌われる勇気』は世界累計485万部を突破しました。
なぜ、この本がここまで売れたのか?
それは、私たちの誰もが、どこかで「嫌われたくない」と思って生きているからです。
本当は本音をストレートに言えればストレスはなくなるのだけれども、わかってはいるんだけども、結局、誰からも嫌われたくない。
嫌われたくない人は、断ることが苦手な人ともいえます。
相手に「NO」と言って、断ってしまったら嫌われてしまうのではないかと思うから、ついつい断りたくても断れなのです。
聖書は、「NO」と思ったら、「NO」と言いなさいと言っています。
私の兄弟たち。とりわけ、誓うことはやめなさい。天にかけても地にかけても、ほかの何にかけても誓ってはいけません。あなたがたの「はい」は「はい」、「いいえ」は「いいえ」でありなさい。そうすれば、さばきにあうことはありません。
聖書(ヤコブ5:12)
ここの聖書の教えの中心は「誓い」です。
「します」と誓ったら「しなさい」
無理なら、そもそも最初から「しません」と言いなさい。ということです。
当時のユダヤ人の中には神の御名を避けて、「天、地、神殿」 などの名で誓えば、その誓いを必ずしも守らなくてもよいと考えた人もいたからです。
これを私たちの日常生活の人間関係に適用するならば、思ってもいないのに「自分を偽って嘘をつくな」と言えます。
神様が、私たちの口からでる言葉は、その大小問わず、ただ神の前で正直に語り、また語ったことを必ず守らなくてはならないからです。
私たちは割と簡単に、自分の心にないことを軽率に話したり、約束をしたりします。
本当は嫌なのに、頼まれたら「いいよ」と笑顔で言ってしまう。
なので、いつも不平不満とため息が出る。
本当は疲れて、いっぱいいっぱいなのに、上司から頼まれたら断れないで引き受けてしまう。
「なんでいつも私だけ?」と後で後悔する。
名前や体の特徴であだ名が決められてしまって苦しんでいる人もいるでしょう。
しかし、聖書は、思ってもいないのに「自分を偽って嘘をつくな」と言っているのです。
なぜでしょうか?
三つの理由があります。
①神様が見ておられるからです。
この理由は今日の箇所ですね。
人に嫌われないことだけを考えている人は、神様がどう思っているかには気づいていません。
人に嫌われても、神様の前に正直であることがいいのです。
②自分を大事にすることだからです。
自分を偽ってストレスをためて、心が病んだり、寝込んでしまうなら、まずは自分のことを大事にするべきです。
悪口を言ってもヘラヘラしているのは、自分が、神のかたちとして造られたというセルフイメージを忘れています。
③他人と信頼関係を築くためです。
笑われて嫌なら、シンプルに「嫌」と言いましょう。
「今のすごく嫌で傷ついたよ」と相手に伝えると、相手は悪いことをしたと気づきます。
あなたを軽く扱う人は、あなたを軽く扱っていることに気づいていません。
そこで、相手との関係が悪化するなら、それは相手の問題であって、あなたが対処する問題ではありません。
実際は、正直に生きることが、長期的に信頼を生みます。