著名なCEOやリーダーたちは、概して皆決断が早いと言う特徴を持っています。
MicrosoftのCEOビル・ゲイツさんは、「決断しないことは無駄な時間を浪費している」といい、Appleのスティーブ・ジョブズさんが、iPhoneやiPadのようなプロダクトを次々と生み出せたのも、短時間で決断していたからだと言われている。
しかし、すぐに決断を下せる人はあまりも少ないのです。
『行動経済学』でも、すぐに決断を下せる人の割合はわずか5%未満と言われています。
つまり、95%の人が、失敗を恐れて、決断を先送りしてしまっていると言うことです。
聖書に出てくる、シモン・ペテロと、兄弟アンデレは、イエス様に「わたしについて来なさい」と言われて、すぐに決断しました。
イエスは彼らに言われた。「わたしについて来なさい。人間をとる漁師にしてあげよう。」彼らはすぐに網を捨ててイエスに従った。
聖書(マタイ4:19-20)
しかも、持っている網をすぐに捨てて、すぐにです。
そんなことは可能なのでしょうか?
実は、これは、この兄弟が魔法にかけられたわけでも、思考停止状態に陥っていたわけでもありません。
彼らの即答の裏には、心を準備する時間あったのです。
ヨハネの福音書の1-2章を見ると、すぐに網を捨ててイエスに従った弟子たちは、すでにかかわりを持っていたことがわかります。
少なくともアンデレは、バプテスマのヨハネの弟子でした。
ヨハネから聞いてイエスについて行った二人のうちの一人は、シモン・ペテロの兄弟アンデレであった。
聖書(ヨハネ1:40)
彼らは、バプテスマのヨハネから、来るべきメシアについて学んでいたことでしょう。
メシアについて、聖書からしっかり学び、そのことを信じ、待ち侘びていたはずです。
自分の師であるバプテスマのヨハネがイエスを「メシア」と認め、洗礼を授けたことも聞いていたでしょう。
つまり、いきなり、知らない人が近づいてきて、ついて行ったわけではないのです。
彼らは、メシアを待望する心がすでにあったのです。
その心をイエス様はご覧になっており、改めて献身の生活へと召したのです。
なので、仕事中にいきなり「わたしについて来なさい。人間をとる漁師にしてあげよう。」と言われても、すぐに従えたのです。
すでに腹は決まっていたのです。
私たちはどうでしょうか?
日頃から、イエス様に従っていると言う意識を持って生活しているでしょうか?
「従う」と言うなら、いきなり「〜しなさい」と言われても、「はい、主よ」と言える必要があります。
従うと言っていながら、「いや、でも」という言葉が出てしまうなら、普段から心をイエス様に向けていないことの表れなのです。
つまり、大きな決断を決めるのは、日々の神様との親密な関係なのです。
聖書を読み、神の御心を知ること。
祈り、神様の御心に思いを合わせていくこと。
自分の弱さを明け渡し、日々、聖霊に満たされることを求めること。
その日々の積み重ねが「すぐに決断」をするための、信仰の土台を生み出す準備になるのです。