あるキャリアカウンセラーが受ける相談でもっとも件数が多く、切実なものは、「私はこんなに頑張っているのに、報われていない!」という訴えだそうです。
誰でも、100の努力をしたら、それに見合った100のリターンがあると期待します。
でも、結果が30や50だったら、残念な気持ちになります。
リターンがゼロ、マイナス100だったらどうでしょう?
「いったい自分は何をやっていたのか?」と自己嫌悪に陥る人。
「上司も同僚も部下も、皆おかしい!」と、すべてを疑いだす人もいるとようです。
神に従ったのに、命を狙われた預言者エリヤは、神に対して不満を言いました。
エリヤは答えた。「私は万軍の神、主に熱心に仕えました。しかし、イスラエルの子らはあなたとの契約を捨て、あなたの祭壇を壊し、あなたの預言者たちを剣で殺しました。ただ私だけが残りましたが、彼らは私のいのちを取ろうと狙っています。」
聖書(1列王記19:10)
エリヤは自分がいかに神に対して熱心に働き、情熱をかけて生きてきたかを訴えます。
同時に、イスラエルの民の罪をあげます。
神の質問に対するエリヤの応答から、彼には落胆と恐れだけでなく、神に対する失望があったことがうかがえます。
「こんなに(神様、あなたに)尽くしたのに」
「こんなに(神様、あなたのために)一生懸命したのに」
エリヤはまるで、神に怒り、神に八つ当たりしているような状態でした。
神様はエリヤに答えます。
すると声がして、こう言った。「エリヤよ、ここで何をしているのか。」
聖書(1列王記19:13後半)
「ここで何をしているのか」実は、この質問は、神様がエリヤに最初に聞いた質問でした。
なんと神様は、エリヤの不平不満に答えず、もう一度同じ質問をされたのです。
エリヤがどこで何をしているか知らなくて尋ねられたのではありません。
神様は、エリヤの人生の使命を思い出すように促しておられるのです。
エリヤは答えます。
エリヤは答えた。「私は万軍の神、主に熱心に仕えました。しかし、イスラエルの子らはあなたとの契約を捨て、あなたの祭壇を壊し、あなたの預言者たちを剣で殺しました。ただ私だけが残りましたが、彼らは私のいのちを取ろうと狙っています。」
聖書(1列王記19:14)
どうでしょう?
神様とエリヤの会話が噛み合っていないがわかるでしょうか?
「ここで何をしているのか」この言葉の意味は、エリヤの人生の使命を思い出すように促すことです。
エリヤは、神の声に2度もトンチンカンな答えをしました。
では、彼は自分の使命を捨てたのでしょうか?
神の言葉を無視したのでしょうか?
いいえ。
実は、彼はこのあと、神様から与えらえた預言者としての最後の命令を実行します。
それは、彼の後継者エリシャにバトンを渡すことでした。
エリヤはそこを去って、シャファテの子エリシャを見つけた。
聖書(1列王記19:19前半)
彼は口では神に不平不満を口にしていました。
しかし、彼は、使命に対してはちゃんと従ったのです。
私たちはどうでしょう?
やったことが報わずに、不平不満を言いたくなる時があります。
しかし、神に与えられた使命を果たすことは諦めてはいけません。
神様があなたに、「ここで何をしているのか」「あなたの使命は何なのか?」と言われたらあなたはなんと答えるでしょうか?