既婚女性の悩みの中で最も多いものの一つが、夫に対する不満です。
「夫が家事や育児を手伝ってくれない」
「私の気持ちをわかってくれない」
「私や子どもに関心をもってくれない」……
心の中に堆積していた「変わらない夫」に対する不満が噴出し、泣き出してしまう方もいます。
私たちの悩みの原因は「変わらない誰か」である場合が多いのではないでしょうか?
カナダ出身の精神科医エリック・バーンこう言いました。
『他人と過去は変えられないが、自分と未来は変えられる。』
このことを実践したのが、聖書のモーセという人物です。
彼は、同胞イスラエル人のために、虐待するエジプト人を殺害しました。
彼は、救世主のような自分の行動を称賛されると思ったのですが、同胞から全く認められませんでした。
モーセは、自分の手によって神が同胞に救いを与えようとしておられることを、皆が理解してくれるものと思っていましたが、彼らは理解しませんでした。
聖書(使徒の働き7:25)
その後、彼は荒野に逃亡し、40年間羊飼いとしてひっそりと過ごします。
その間、モーセは、人も過去も変えられませんでした。
むしろ、彼自身が、40年間を通して、変わっていきました。
しかし、冒頭の名言では、聖書のストーリーを説明しきれない部分があります。
それは、モーセが変わったことで、未来が変わったわけではないということです。
もちろん、モーセの変化は大切でした。
しかし、神様が持っておられたモーセの使命は、イスラエルの60万人以上の民をエジプトから脱出させる指導者の役割です。
そこには、200万人ほどのイスラエルの民の意思が関係するのです。
聖書には、イスラエルの民が、「モーセは40年間で謙遜になったな。よし、お前をリーダーとして認めよう!」という言ったような箇所は出てきません。
しかし、確かに、40年経って、イスラエルの民は神の計画を理解できるように変わりました。
それは、モーセが変わったことが原因ではなく、神が彼らを変えたのです。
今日、覚えたいことがあります。
それは、人を変えるのは神であるということです。
モーセ自身も自分で変わったというより、神の計画と導きによって変えられたのです。
同じように、イスラエルの民もモーセが荒野にいる40年間で神によって変えられたのです。
どうやってでしょうか?彼らに対する困難を通してです。
それから何年もたって、エジプトの王は死んだ。イスラエルの子らは重い労働にうめき、泣き叫んだ。重い労働による彼らの叫びは神に届いた。
聖書(出エジプト記2:23)
モーセがエジプト人を殺した出来事から、40年間で、神様はモーセとイスラエルの民両方を変えられたのです。
神の計画の登場人物が、それぞれ神による準備が完了したタイミングで、ようやく神の計画は動き出すのです。
私たちは人に変わって欲しいと思います。
人を変えるのは神に任せましょう。
そして、自分を変える神様の見えない御手を受け入れましょう。