はじめに
今日は、大患難時代の預言に出てくる「大バビロン」について説明します。
「バビロン」と聞くと思い浮かぶのが、ジョージ・S・クレイソンによって、1920年代に書かれた「バビロン大富豪の教え」という本です。90年以上に渡り、多くの人々に読まれ続けており、最近では漫画されて大ヒットしました。私も、漫画で読みました。この本が「バビロンとお金」を結びつけていることも興味深いのですが。実は、このバビロンは、聖書に非常にネガティブなイメージで出てきます。
特に、聖書の黙示録に出てくる「大バビロン」は、神を冒涜する反キリストが支配する世界の中心地であり、私たちが巻き込まれないようにするべき思想や価値観で溢れています。どのような価値観かというと、簡単に言えば、反キリスト思想、神を否定する価値観です。
例えば、お金自体は悪いものではないのですが、お金が神様よりも重要になれば、偶像礼拝になります。お金以外にも、メディア、音楽、ファッション、芸術、人が産み出すあらゆる文化に、内容が入り込んでいることも多々あります。現在、私達は既に、このバビロンの価値観に囲まれて生きています。世の終わりには、ますます私たちを誘惑し、知らない間に神様から思いを向けさせるこの大バビロンの力は強くなります。
このメッセージを読むと、大バビロンの特徴が聖書からわかり、大バビロンの反聖書的な思想に惑わされずに、生きることが可能になります。最近は、聖書の終末預言シリーズという世の終わりについて聖書が何を言っているかだけにフォーカスを当てたYouTube動画をアップしています。「この世はこれからどうなるのか?」ということに対して少しでも興味のある方は、チャンネル登録をよろしくお願いします。
大バビロンとは
今日の結論は一言でいうと、黙示録に出てくる 「大バビロンとは世の終わりに反キリストが支配する宗教と経済の中心地」 です。
①大バビロンはどこ?
→ イラクのバビロン
その額には、意味の秘められた名、「大バビロン、淫婦たちと地上の忌まわしいものの母」という名が記されていた。
聖書(黙示録 17:5)
3つの解釈
A. 現代のイラクのバビロン
終末預言に出てくるイスラエルを字義通り、現代イスラエルとして訳すならば、このバビロンも象徴的な解釈ではなく、現在のイラクにある都市バビロンと訳すのが妥当であると考えられます。ある先生は、終末に全世界が統一され、1つの国となり、現在のイラクのバビロンという都市が、首都になるといいます。
今のバビロンを見るならば、全然影響力もなさそうですが、イラクの元大統領のサダム・フセインは、1978年よりバビロン遺跡の復興計画を開始していました。バビロン遺跡の入り口にはサダム・フセインと聖書に出てくるネブカドネザルの肖像画が配置され、碑文には「ネブカドネザルの息子であるサダム・フセインがイラクを称えるために建設した」と刻まれたそうです。CNNによると、これまでに発掘された古代バビロン遺跡はまだ2%のみです。今後、自分を「ネブカドネザル」と同一視する指導者によって、再開発と復興は今後進む可能性もあります。実は、このバビロンは、創世記の時から出てきます。ニムロデという支配者が、この町を起こし、自分の王国を作るのです。
8 クシュはニムロデを生んだ。ニムロデは地上で最初の勇士となった。
聖書(創世記10:8-10)
9 彼は主の前に力ある狩人であった。それゆえ、「主の前に力ある狩人ニムロデのように」と言われるようになった。
10 彼の王国の始まりは、バベル、ウルク、アッカド、カルネで、シンアルの地にあった。
そこになんと、あの有名なバベルの塔が建てられます。
それゆえ、その町の名はバベルと呼ばれた。そこで主が全地の話しことばを混乱させ、そこから主が人々を地の全面に散らされたからである。
聖書(創世記11:9)
このバベルが後にバビロンと呼ばれるようになりました。大患難時代の前半に、世界の中心にこのバビロンがなるということは非常に興味深いです。もし、この黙示録の大バビロンが象徴的ならば、創世記のバベルも象徴的な出来事になる危険性もあります。しかし、ニムロデが作ったのは、実際にあったユーフラテス川沿いの現代のバビロンです。現代のイラクと近隣の国には、世界の石油の60%以上が存在しているので、経済の中心地となることが十分に考えられます。
B. 終末の背信の教会
その額には、意味の秘められた名、「大バビロン、淫婦たちと地上の忌まわしいものの母」という名が記されていた。
聖書(黙示録 17:5)
大バビロンは淫婦たちの母と書いています。
また、七つの鉢を持つ七人の御使いの一人が来て、私に語りかけた。「ここに来なさい。大水の上に座している大淫婦に対するさばきを見せましょう。
聖書(黙示録17:1)
1節では、大バビロンは大淫婦とも呼ばれています。旧約聖書では、「淫婦」は「偽の宗教」を象徴する言葉であり、「淫行」は、偶像礼拝を象徴する言葉です。この言葉がイスラエルに対して語られる場面も多くあります。つまり、神を信じると告白しながら、偶像を拝む姿を想像することができます。「大水の上に座している」とは、この大バビロンが世界中のあらゆる民族、国々を支配下に置くという意味です。「水」は、異邦人社会を表します。実際、黙示録17:15で明記されています。
また、御使いは私に言った。「あなたが見た水、淫婦が座しているところは、もろもろの民族、群衆、国民、言語です。
聖書(黙示録17:15)
地の王たちは、この女と淫らなことを行い、地に住む人々は、この女の淫行のぶどう酒に酔いました。」
聖書(黙示録17:2)
「この女と淫らなことを行い」これは、偶像礼拝のことです。
「ぶどう酒に酔いました」お酒には、飲む人を支配する力がああります。
同じように、人々はこの大バビロンの宗教的な力に魅了されていきます。テサロニケの手紙には、まず教会の背教が起こるとも書いています。
どんな手段によっても、だれにもだまされてはいけません。まず背教が起こり、不法の者、すなわち滅びの子が現れなければ、主の日は来ないのです。
聖書(2テサロニケ 2:3)
C. 当時のローマ帝国
ヨハネが生きていた時代のローマ帝国は、その影響力から「バビロン」とも呼ばれていました。巨大帝国ローマに属する領地は、政治的、経済的、文化的にも、発展を遂げました。しかし、いわゆるパックス・ロマーナ(ローマの平和) は、ローマ帝国の宗教的強要による経済的な搾取システムによってもたらされたものです。巨大な体系の中で世界経済と文化に強大な影響を及ぼし、富と快楽のゆえにに霊的感覚が鈍くなった聖徒は、知らない間に偶像礼拝に陥ってしまいます。
これらを総合的に考えてもよいと思われます。現代のバビロンという都市が、世界の中心になり、腐敗した偽の教会が現れ、バベルの塔やローマ帝国のように「人間の富と快楽」により、偶像礼拝が蔓延っているというイメージです。
②大バビロンの特徴は?
→ 世界の中心になる
大バビロンは、宗教と経済を統一させ、反キリストと10人の王によって支配されます。
A. 反キリスト
それから、御使いは私を御霊によって荒野へ連れて行った。私は、一人の女が緋色の獣に乗っているのを見た。その獣は神を冒瀆する名で満ちていて、七つの頭と十本の角を持っていた。
聖書(黙示録 17:3)
女(大淫婦)は、緋色の獣に乗っていた。この獣は、反キリストです。この黙示録17:3 は、時間的には黙示録13:1よりも前です。ヨハネは、見た順番に幻を記していますが、幻自体は、時間順には並んでいないので注意しましょう。つまり、この段階では、獣(反キリスト)はまだ独裁的な権威を持っていません。この時点では、反キリストは、大バビロンを用いて、自分の権威を増幅させている段階にあります。
その女は紫と緋色の衣をまとい、金と宝石と真珠で身を飾り、忌まわしいものと自らの淫行の汚れで満ちた金の杯を手に持っていた。
聖書(黙示録 17:4)
「緋色」は、反キリストが多くの富を所有し、外面的に非常に魅力的であることがわかります。金の杯は、外面的には魅力的であるが、 内側には偶像礼拝に満ちています。この大バビロンは、偽の宗教と富や快楽で人々を誘惑し酔わせます。
バビロンは主の手にある金の杯。すべての国々はこれに酔い、国々はそのぶどう酒を飲む。それゆえ、国々は正気を失う。
聖書(エレミヤ51:7)
B. 7つの頭
すると、御使いは私に言った。「なぜ驚くのですか。私は、この女の秘められた意味と、この女を乗せている、七つの頭と十本の角を持つ獣の秘められた意味を、あなたに話しましょう。
聖書(黙示録 17:7)
「女を乗せている」とは、この大バビロンを援護している権力者のことです。
9 ここに、知恵のある考え方が必要です。七つの頭とは、この女が座している七つの山で、それは七人の王たちのことです。
聖書(黙示録 17:9-10)
10 五人はすでに倒れましたが、一人は今いて、もう一人はまだ来ていません。彼が来れば、しばらくとどまるはずです。
7つの頭は歴史上、イスラエルを支配した国を表します。エジプト、アッシリヤ、バビロン、メディア・ペルシヤ、ギリシア、ローマ、イスラム諸国?ここから、獣である反キリストが現れます。
C. 10人の王
10本の角は終末に世界を治める大バビロンの10人の王たち(支配者たち)を表します。
12 あなたが見た十本の角は十人の王たちです。彼らはまだ王権を受けていませんが、獣とともに、一時だけ王としての権威を受けます。
聖書(黙示録 17:12-13)
13 これらの王たちは一つ思いとなり、自分たちの力と権威をその獣に委ねます。
現時点では、まだ力を持っていませんが、 反キリストによって王としての権威を受け、一緒に大バビロンから世界を統治します。しかし、 「権威をその獣に委ねる」とあるように、反キリストに支配を委ねるので、彼らの支配は、一時、つまり1年で終わります。
③大バビロンの結末は?
→ 反キリストに破壊される
16 あなたが見た十本の角と獣は、やがて淫婦を憎み、はぎ取って裸にし、その肉を食らって火で焼き尽くすことになります。
聖書(黙示録 17:16-17)
17 それは、神のことばが成る時まで、神はみこころが実現するように王たちの心を動かし、彼らが一つ思いとなって、自分たちの支配権を獣に委ねるようにされたからです。
なんと、ここで反キリストが大淫婦(大バビロン)を焼き尽くすと書いてあります。どういうことかというと、大患難時代の前半、反キリストは大淫婦である大バビロンを利用しての世界統一化に成功します。具体的には、世界統一宗教と、経済統一です。しかし、大患難時代のちょうど真ん中で、反キリストは「みんなで一つだよね」という大バビロンをぶっ壊し、「いや私が神だ。私を礼拝しなさい」人々に迫るようになるのです。なので、患難時代後半は、大バビロンはなくなり、反キリストの独裁に切り替わります。
不法の者は、すべて神と呼ばれるもの、礼拝されるものに対抗して自分を高く上げ、ついには自分こそ神であると宣言して、神の宮に座ることになります。
聖書(2テサロニケ2:4)
私たちもどうでしょう。宗教間での争いを見ると、「統一宗教」という提案はとても合理的にも見えます。「どの宗教もみんな受け入れて仲良くしようじゃないか」ユダヤ教の指導者たちも反キリストの提案を受け入れて、第三神殿が建つことでしょう。しかし、反キリストは、わずか三年半で世界統一宗教を破壊します。彼にとっては、世界をコントロールするための手段に過ぎないからです。
経済統一も、一見甘い蜜のように思えます。仮想通貨のような、すべての人が平等に扱える通貨。マイナンバーやマイクロチップによる管理システム。これらも反キリストが悪用することが聖書には書かれています。
まとめ
まとめましょう。今日の結論は一言でいうと、黙示録に出てくる「大バビロンとは世の終わりに反キリストが支配する宗教と経済の中心地」です。
1大バビロンはどこ?
→イラクのバビロン
2大バビロンの特徴は?
→世界の中心になる
3大バビロンの結末は?
→反キリストに破壊される
次回は「7つの封印の裁き」についてお話しします。黙示録には、ラッパの裁きとか、封印がどうこうとか、似たようなものがたくさん出てきますので、それらをわかりやすく整理します。整理できたら、世の終わりに何が起こるのかを理解しやすくなります。
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参考資料:黙示録セミナー終末編 /オメガミニストリーズ•オメガバイブルスタディー、ハーベストタイムミニストリーズ/メッセージステーション 使用画像元: Pixabay, Unsplash CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index… おむこさん志望 – Taken by おむこさん志望, CC 表示 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index…