【聖書の終末預言㊸】大患難時代⑨ 7つの鉢の裁き(最後の3年半)「人類史上最強の災害」 (黙示録16:1-21)

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はじめに

今日は、大患難時代の預言に出てくる「7つの鉢の裁き」について説明します。ここまで続けて読んでくださっている方にとっては、3つ目の裁きです。三つ目ということは、最初の二つがありました。一つ目が封印の裁きで、二つ目がラッパの裁きです。しかも、それぞれの裁きは7つで1セットであって、似たような裁きが次々と黙示録に出てきます。なので、非常にわかりずらいです。しかも、三番目が、今回のように黙示録の少し後の方で出てくるので、余計「あれ?これ前も出てこなかったっけ?」「あれ?同じ裁きを言っているのか?それともまた別のものか?」とややこしくなるのです。

このブログを読むと、黙示録に出てくる3セットの裁きがわかるようになり、それぞれに含まれる7つの災害を時系列に整理できます。

最近は、聖書の終末預言シリーズという世の終わりについて聖書が何を言っているかだけにフォーカスを当てたYouTube動画をアップしています。「この世はこれからどうなるのか?」ということに対して少しでも興味のある方は、チャンネル登録をよろしくお願いします。

7つの鉢の裁きとは何か?

一言でいうと、 大患難時代の前後半3年半の、ラッパのさばきの後に起こる7つのさばきのこと です。



7つの鉢の裁きは、7つのラッパの裁きと似ていますが、 鉢の裁きの方が、前半のものよりはるかに厳しいです。人類史場最悪の災害です。鉢とは何かというと、容器のことです。英語だとボウルです。そこに入っている水のような中身が地上に注がれるイメージです。中身は裁きです。

A. 7つの鉢の裁きはいつ起こる?

 7年間の大患難時代の後半3年半の期間に起こります。 ラッパの裁きは、封印の裁きの7つ目からスタートし、鉢の裁きへと発展していきます。

B. 7つの鉢の解説

①第1の鉢:悪性のはれもの

第一の御使いが出て行き、鉢の中身を地に注いだ。すると、獣の刻印を受けている者たちと獣の像を拝む者たちに、ひどい悪性の腫れものができた。

聖書(黙示録16:2)


「獣の刻印を受けている者たちと獣の像を拝む者たち」とは、反キリストに従う人たちのことです。

この時点では、地上の人たちの大半が、反キリストに従っていることが予想されます。従わなければ、迫害され、殺されているからです。しかし、神の裁きは、「悪性のはれもの」として彼らに降ります。これは、黙示録14章の預言の成就です。

9 また、彼らの後にもう一人、第三の御使いがやって来て、大声で言った。「もしだれかが獣とその像を拝み、自分の額か手に刻印を受けるなら、
10 その者は、神の怒りの杯に混ぜ物なしに注がれた、神の憤りのぶどう酒を飲み、聖なる御使いたちと子羊の前で火と硫黄によって苦しめられる。
11 彼らの苦しみの煙は、世々限りなく立ち上る。獣とその像を拝む者たち、また、だれでも獣の名の刻印を受ける者には、昼も夜も安らぎがない。」

聖書(黙示録 14:9-11)

②第2の鉢:海の完全汚染

第二の御使いが鉢の中身を海に注いだ。すると、海は死者の血のようになった。海の中にいる生き物はみな死んだ。

聖書(黙示録 16:3)


黙示録8:8-9の第2のラッパでは、海の3分の1が汚染され、海洋生物の3分の1が死滅しましたが、今回は、 海のすべてが汚染され、海洋生物が全滅 しています。魚が死ぬと腐ります。 耐えられないほどの異臭が世界中に広がります。また、地球上の酸素の大部分が海から来ているため、地上は酸素不足となると考えられます。

③第3の鉢:水源の完全汚染

第三の御使いが鉢の中身を川と水の源に注いだ。すると、それらは血になった。

聖書(黙示録 16:4)


黙示録8:10-11の第3のラッパでは、水源の3分の1が汚染されましたが、今回は、川や湖などの水源すべてが汚染され血のようになります。これは、何を表すのでしょうか? 飲水がなくなる ということです。タンクや倉庫に貯水している水が貴重になり、水の値段は暴騰し、手に入れられな
い人々は亡くなっていくことでしょう。

④第4の鉢:超温暖化

8 第四の御使いが鉢の中身を太陽に注いだ。すると、太陽は人々を火で焼くことを許された。
9 こうして人々は激しい炎熱で焼かれ、これらの災害を支配する権威を持つ神の御名を冒瀆した。彼らが悔い改めて神に栄光を帰することはなかった。

聖書(黙示録16:8-9)

飲み水がない上に、太陽が激しく照りつけるというのは、最悪な状況です。今も地球温暖化が問題視されていますが、間違いなく 世の終わりには、温暖化が深刻な問題になります。 

⑤第5の鉢:暗闇

第五の御使いが鉢の中身を獣の座に注いだ。すると、獣の王国は闇におおわれ、人々は苦しみのあまり舌をかんだ。

聖書(黙示録 16:10-11)


大患難時代には、5回も暗闇の災害が起こると言われています。この第5の鉢は、第4番目の暗闇です。「獣の国」とは反キリストが支配する世界であり、 この暗黒には痛みが伴っている ようです。

さて、第6の鉢の裁きにいく前に、一回整理しましょう。7つの鉢の裁きを2つのグループに分けると理解しやすくなります。第1~第5の鉢の裁きは、自然界の深刻な災害。第6~第7の鉢の裁きは、ハルマゲドンの戦いについてです。ハルマゲドンの戦いとは、イスラエルで起きる最後の世界大戦です。

⑥第6の鉢:ハルマゲドン会議

第六の御使いが鉢の中身を大河ユーフラテスに注いだ。すると、その水は涸れてしまい、日の昇る方から来る王たちの道を備えることになった。

聖書(黙示録16:12)

第6の鉢では、 ユーフラテス川が枯れるという災害に加えて、終末の最終的な戦争の用意がなされる のが特徴です。これを「ハルマゲドン会議」ともいいます。「大河ユーフラテス」は、約束の地の境界線であり、ここが枯れるということは、世界中の軍隊がイスラエルに来ることができるようになるということです。「日の昇る方から来る王たち」とは、「東から来る王たち」という意味です。


この解釈は非常に難しく、50以上の解釈があると言われています。聖書で「東」という場合、日本や中国ではありません。メソポタミアとその東側の国々、イラク、イラン、アフガニスタン、パキスタン、インドなどを指します。反キリストの国の首都は、バビロン、現代のイラクなので、字義通りの解釈でつじつまがあいます。

13 また、私は竜の口と獣の口、また偽預言者の口から、蛙のような三つの汚れた霊が出て来るのを見た。
14 これらは、しるしを行う悪霊どもの霊であり、全世界の王たちのところに出て行く。全能者なる神の大いなる日の戦いに備えて、彼らを召集するためである。

聖書(黙示録 16:13-14)


13節を見ると、三つの汚れた霊とあります。これは、サタン、反キリスト、偽預言者という、偽の三位一体のことを示しています。14節には、この偽の三位一体の悪霊が、奇跡を行い世界の軍隊を一つにさせます。「全能者なる神の大いなる日」は、再臨の日のことです。

15 ──見よ、わたしは盗人のように来る。裸で歩き回って、恥ずかしい姿を人々に見られることのないように、目を覚まして衣を着ている者は幸いである──
16 こうして汚れた霊どもは、ヘブル語でハルマゲドンと呼ばれる場所に王たちを集めた。

聖書(黙示録 16:15-16)


16節の「ハルマゲドン」は、ヘブライ語で「ハ・メゲド」といいます。つまり、これは、イスラエルに実在する「メギドの丘」のことです。

メギドの丘は、イスラエル北部のイズレエルの平原にあります。イスラエルで一番面積が広いのがイズレエル平原なので、世界戦争の場所に選ばれる理由もわかります。「王たちを集めた」とは、戦うためではなく、イスラエルを全滅させることについて話し合うためです。だから、 これは「ハルマゲドン会議」とも言われます。さて、いよいよ最後の最後の裁きです。

⑦第7の鉢:大地震と大きな雹

第七の御使いが鉢の中身を空中に注いだ。すると大きな声が神殿の中から、御座から出て、「事は成就した」と言った。

聖書(黙示録 16:17)


「事は成就した」とは、いよいよ最後の災害だということです。

そして稲妻がひらめき、雷鳴がとどろき、大きな地震が起こった。これは人間が地上に現れて以来、いまだかつてなかったほどの、大きな強い地震であった。

聖書(黙示録 16:18)


17節の「大きな声」と、18節の「いなずま」、「雷鳴」、「大きな地震」は、すべて神の臨在を表しています。

この地震は、人類史上類を見ないほどの凄まじいものです。

19 あの大きな都は三つの部分に裂かれ、諸国の民の町々は倒れた。神は大バビロンを忘れず、ご自分の激しい憤りのぶどう酒の杯を与えられた。
20 島はすべて逃げ去り、山々は見えなくなった。

聖書(黙示録 16:19-20)


大きな都とはエルサレムで、3つに裂かれるということです。ゼカリヤ書にも書いています。

その日、主の足はエルサレムの東に面するオリーブ山の上に立つ。オリーブ山はその真ん中で二つに裂け、東西に延びる非常に大きな谷ができる。山の半分は北へ、残りの半分は南へ移る。

聖書(ゼカリヤ14:4)


また、大バビロンの最後についても書かれています。反キリストの本拠地であり、経済、世界統一宗教の中心地であった「大バビロン」が、ここで神様によって完全に破壊されます。

また、一タラントほどの大きな雹が、天から人々の上に降った。この雹の災害のために、人々は神を冒瀆した。その災害が非常に激しかったからである。

聖書(黙示録 16:21)

「ータラントほどの大きな雹」は、約35~45kgの重さです。

さて、ここで、7つの鉢の裁きは終わりです。あとは、キリストの再臨ですが、この7つの鉢の裁きから学べることはなんでしょうか?

C. ここから学べることは?

 「災害を通っても悔い改めない人がいる」一方、「キリストを信じるものは裁きを免れる」 ということです。

こうして人々は激しい炎熱で焼かれ、これらの災害を支配する権威を持つ神の御名を冒瀆した。彼らが悔い改めて神に栄光を帰することはなかった。

聖書(黙示録16:9)

そして、その苦しみと腫れもののゆえに天の神を冒瀆し、自分の行いを悔い改めようとしなかった。

聖書(黙示録 16:11)

また、一タラントほどの大きな雹が、天から人々の上に降った。この雹の災害のために、人々は神を冒瀆した。その災害が非常に激しかったからである。

聖書(黙示録 16:21)


これらの「人々」は「その人々」と定冠詞がついているので、特定の人々を表しています。それは、「獣の刻印を受けている者たち」のことです。

第一の御使いが出て行き、鉢の中身を地に注いだ。すると、獣の刻印を受けている者たちと獣の像を拝む者たちに、ひどい悪性の腫れものができた。

聖書(黙示録16:2)

つまり、この人類史上最強の災害を通っても、人々は神を冒涜する姿が預言されています。神を信じないのはまだしも、神を呪うのは「反キリスト」の霊にやられてしまっていることを意味します。

イエスを告白しない霊はみな、神からのものではありません。それは反キリストの霊です。あなたがたはそれが来ることを聞いていましたが、今すでに世に来ているのです。

聖書(1ヨハネ4:3)

しかし、一方で、キリストを信じるものたちは、迫害は受けますが、災害からは免れるとも読み取れます。もちろん、この世で死んでも、永遠の裁きは絶対に免れます。ダニエル書を見ると、反キリストの支配を免れる場所を3つ上げています。

彼は麗しい国に攻め入り、多くの者が倒れる。しかし、エドムとモアブ、またアンモン人のおもだった人々は、彼の手から逃げる。

聖書(ダニエル11:41)


エドムとはボツラ(ペトラ)があるところです。つまり、これらはユダヤ人たちが逃れて行く場所です。つまり、キリストを信じたのはイスラエル人たちは、災害から守られるということです。出エジプト記の10の災害と黙示録の災害は、非常に似ています。そして、出エジプト記の10の災害のうち、暗闇の裁きがありましたが、その時、「エジプト全土は三日間真っ暗やみとなった」が、「イスラエル人の住む所には光があった」とあります。

22 モーセが天に向けて手を伸ばすと、エジプト全土は三日間、真っ暗闇となった。
23 人々は三日間、互いに見ることも、自分のいる場所から立つこともできなかった。しかし、イスラエルの子らのすべてには、住んでいる所に光があった。

聖書(出エジプト10:22-23)


同じように、イスラエル人が逃げているペトラ(ボツラ)にも光があるものと思われます。大患難時代で生き残っている人にとっては、最後の最後までが試練です。「本当にキリストが来るのだろうか?」その時は、この聖書のことばを握りしめれば大丈夫です。

──見よ、わたしは盗人のように来る。裸で歩き回って、恥ずかしい姿を人々に見られることのないように、目を覚まして衣を着ている者は幸いである──

聖書(黙示録 16:15)


大事なのは、2021年の今であっても目を覚ますことです。衣を着るとは、イエスキリストの十字架の贖いを信じている状態の比喩です。聖書によく出てきます。

まとめ

まとめましょう。7つの鉢の裁きとは何か?一言でいうと、 大患難時代の前後半3年半の、ラッパのさばきの後に起こる7つのさばきのこと です。

7つの鉢の裁きは、7つのラッパの裁きと似ていますが、 鉢の裁きの方が、前半のものよりはるかに厳しいです。人類史場最悪の災害です。水のような中身が地上に注がれるイメージです。中身は裁きです。

A. 7つの鉢の裁きはいつ起こる?
7年間の大患難時代の後半3年半の期間に起こります。

B. 7つの鉢の解説
①第1の鉢:悪性のはれもの
②第2の鉢:海の完全汚染
③第3の鉢:水源の完全汚染
④第4の鉢:超温暖化
⑤第5の鉢:暗闇
⑥第6の鉢:ハルマゲドン会議
⑦第7の鉢:大地震と大きな雹

C. ここから学べることは?
「災害を通っても悔い改めない人がいる」一方、「キリストを信じるものは裁きを免れる」ということです。

次回は、大患難時代の最後の締め「ハルマゲドンの戦い」と「再臨」についてお話しします。

読んでくださってありがとうございます。このメッセージはYoutubeでもご視聴いただけます。

参考資料:黙示録セミナー終末編 /オメガミニストリーズ•オメガバイブルスタディー、ハーベストタイムミニストリーズ/メッセージステーション 使用画像元: Pixabay, Unsplash By Joe Freeman, CC BY-SA 2.5, https://commons.wikimedia.org/w/index…​ コンピュータが読み取れる情報は提供されていませんが、Kmusserだと推定されます(著作権の主張に基づく) – コンピュータが読み取れる情報は提供されていませんが、投稿者自身による作品だと推定されます(著作権の主張に基づく), CC 表示-継承 2.5, https://commons.wikimedia.org/w/index…​ CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index…

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この記事を書いた人

牧師。ライフコーチ。
1985年札幌で生まれる。小樽商科大学を卒業後、三菱UFJ信託銀行で3年間勤務。関西聖書学院(KBI)で1年間聖書を学ぶ。CCC(Campus Crusade for Christ)短期宣教を通じて出会った、当時CCC専任スタッフのク・ソンリムと2012年に結婚。2013年から3年間ソウル・オリュン教会日本語礼拝部伝道師として仕えつつ、トーチ・トリニティ神学大学院英語コース修士課程(Torch Trinity Graduate University/Master of Divinity)を修める。2016年から3年間、母教会札幌キリスト福音館で牧師として仕えた後、2019年より、札幌ガーデンチャーチを開拓。

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