厚生労働省の2016年の調査によると、ひとり親家庭数141.9万世帯のうち、母子だけで暮らす世帯は123.2万世帯、父子だけで暮らす世帯数は18.7万世帯でした。
つまり、10倍近い数字の開きが、子育てにおいて、父親より母親の方が大切であると見ることもできます。
しかし、父親の不在は、子どもの成長に深刻なダメージを与えることがわかっています。
聖書は、神に対する「お父さん」という呼びかけは尊敬が土台であると言っています。
そしてこう言われた。「アバ、父よ、あなたは何でもおできになります。どうか、この杯をわたしから取り去ってください。しかし、わたしの望むことではなく、あなたがお望みになることが行われますように。」
聖書(マルコ 14:36)
イエスさまは、父なる神に対して「アバ、父よ」と親しみを込めて呼びかけました。
これは、当時のユダヤ人にとって衝撃的なことでした。
彼らは「イスラエルの父なる神」と呼び、個人的に自分のお父さんとして呼びかけることはしていなかったからです。
ユダヤ教では、今でも神を「父」と呼ぶことはありません。
前回の動画で、神様を「パパ!父さん!親父!」と呼んでいいと言いましたが、それによって尊敬が欠如していてはいけません。
イスラエルでは、父と子の関係は、親密ではあっても、根底に流れるのは尊敬と従順です。
当時のイスラエルの子どもたちは父親とヘブライ語の勉強を始めます。
父親から聖書の律法を学び、商売も学びました。
ユダヤの英雄たちの物語を繰り返し聞き、一緒に祈り、シナゴーグへ通いました。
安息日やユダヤの祭日が来るたびに、父親が家庭のリーダーとして、家族を導く姿を目にしました。
そこから、父親への尊敬が生まれていくのです。
イエスさまも、父親である大工のヨセフから、いろいろな事を学んだ事でしょう。
最初に読んだ聖書の箇所は、イエスさまが十字架にかかる前にその苦しみから父なる神に祈った場面です。
ここで、自分の気持ちをそのまま伝える親密さを感じる一方、「父なる神への従順への決意」という尊敬を見ることができます。
私たちはどうでしょう?
祈る時、尊敬と従順を込めて、「父よ」と呼びかける事を意識したいですね。