はじめに
今日は、「神の義」とは何か？について説明します。
「義」という漢字のイメージはきっと、「固く」て、「厳しい」といったものだと思います。それが「神の義」となれば、まるで神様のルールで私たちを鎖で縛ろうとしているように感じませんか。
この記事を読めば、「神の義」とは何かが一言で言えるようになります。
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神の義とは何か？
結論を一言で言うと、神の義は 神の基準で「正しい」とされてている状態です。
神の正しさ（基準）
「義」とはあまり使わない言葉ですが、聖書の原語の意味は「神の律法と人の定めた基準に合うこと、それに従って生活すること」という意味があります。
例えば私たちが「正義」という言葉を使うならば、それは人それぞれの基準に従って、正しい義の基準を持っていることになります。
しかし、聖書の中で「義」と出る時は、ほとんどの場合、これは「神の義」を意味します。
つまり、神の基準で「正しい」とされることであり、その基準に従って生活する状態です。
正しい「基準が神である」ことを覚えておいてください。なぜなら、神ご自身が、「義」そのものであるからです
主は岩。主のみわざは完全。まことに主の道はみな正しい。主は真実な神で偽りがなく、正しい方、直ぐな方である。
聖書（申命記32:4）
では神の基準はどのようにわかるのでしょうか？
先ほど、「神の律法と人の定めた基準に合うこと…」と言いました。
律法とは、旧約聖書にたくさん書いてある、神が正しいとされること、正しくないとされることの具体的な戒めの列挙です。なので、律法を読めば、神の基準がわかるのです。
人間の正しさ（基準）
しかし、普通、私たちは神の基準を考えずに、人間の基準をもとに生きていることがほとんどです。
私たちは、誰かに認められようとする世界で生きています。例えば就職の面接では自分が会社にとって有益だとアピールしなければいけませんし、学校ではテストの点数で能力を比較しあってきました。もしかしたら、家庭の中でさえも自分の存在を認めてもらうために、「良い子」、「良い妻・母」「良い夫・父」でいようと演技しているかもしれません。
そのように生きる私たちは、周囲の基準や正義に自分をフィットさせることによって認められるものだと考えるようになっています。
するとどうでしょうか、神様に認められて「義（正しい人）」とされようと、神様が定めたルールや正義に私たちが、頑張って合格しなければいけないというマインドになってしまいます。
しかし、聖書には私たちがテストで良い点の為に勉強するかのように、必死に聖書を読んだり、自分の存在を認めてもらう為に家庭の中で良い人を演じるかのように、表面上だけの努力をしても実は神様の要求(律法)を完全に満たすことは誰にも出来ないと記されています。
しかし、人は律法を行うことによってではなく、ただイエス・キリストを信じることによって義と認められると知って、私たちもキリスト・イエスを信じました。律法を行うことによってではなく、キリストを信じることによって義と認められるためです。というのは、肉なる者はだれも、律法を行うことによっては義と認められないからです。
聖書(ガラテヤ2:16)
では、どうすれば、神の義、つまり神の基準に従って生きることが可能になるのでしょうか？
神の義はイエス・キリストを信じる全ての人に与えられる
21 しかし今や、律法とは関わりなく、律法と預言者たちの書によって証しされて、神の義が示されました。
聖書(ローマ3:21～26)
22 すなわち、イエス・キリストを信じることによって、信じるすべての人に与えられる神の義です。そこに差別はありません。
23 すべての人は罪を犯して、神の栄光を受けることができず、
24 神の恵みにより、キリスト・イエスによる贖いを通して、価なしに義と認められるからです。
25 神はこの方を、信仰によって受けるべき、血による宥めのささげ物として公に示されました。ご自分の義を明らかにされるためです。神は忍耐をもって、これまで犯されてきた罪を見逃してこられたのです。
26 すなわち、ご自分が義であり、イエスを信じる者を義と認める方であることを示すため、今この時に、ご自分の義を明らかにされたのです。
この個所を要約すると
1.すべての人は神様の目から見ると罪を犯していて、神の正しい基準を満たせていない。
2.しかし、人が犯す罪の為の代価はキリストの十字架によって支払われた。
3.なので、「神の義」はイエス・キリストを信じる全ての人に与えられる。
となります。
人はだれも自分の努力によっては神の義に到達することはできないので、神様はイエス・キリストの十字架による代価(贖い)を信じる者を義とされるいう道をお開きになられたのです。
神の義は私たちの生活を変化させる
イエスキリストの十字架による罪の代価を信じることによってのみ、私たちは神様との正しい関係を回復し、「神の義」を頂くことができることを見てきました。
では、その「神の義」は、私たちにどのような変化をもたらすのでしょうか。
聖書にこのように書かれている個所があります。
9 私はこう祈っています。あなたがたの愛が、知識とあらゆる識別力によって、いよいよ豊かになり、
聖書(ピリピ人への手紙1：9~11)
10 あなたがたが、大切なことを見分けることができますように。こうしてあなたがたが、キリストの日に備えて、純真で非難されるところのない者となり、
11 イエス・キリストによって与えられる義の実に満たされて、神の栄光と誉れが現されますように。
「神の義」を私たちが獲得て、それで終わりではなく、「キリストの日」、すなわち世の終わりにいたるまで、私たちの内側において成長し私たちをいっぱいにまで満たしていくのです。
ここに聖書の神様を信じる人々の喜びがあります。神の義が余すことなく溢れている天の御国（神の国）に永遠に住む、未来の希望が与えらます。また、神の義に従って歩む力が与えられ、私たちの内側が変えられていきます。
その喜びは私たちの内側だけで終わりません。コップから水があふれ流れるように、とめどなく外側にあふれ出ていきます。それは私たちの周りの人々にキリストにある平安という影響を与えるようになります。
かつては人の評価によって影響を受けていた人が、神の義によってかえって人々に影響を与えるようになります。神様のすばらしさ、栄光、誉れがあなたという器を通して人々に流れていくのです。
5 私たちは、義とされる望みの実現を、信仰により、御霊によって待ち望んでいるのですから。
聖書(ガラテヤ5：5)
まとめ
神の義とは何か？
一言で言うと、神の義は 神の基準で「正しい」とされている状態です。
- 神の正しさ（基準）
- 人間の正しさ（基準）
- 神の義はイエス・キリストを信じる全ての人に与えられる
- 神の義は私たちの生活を変化させる
参考：「聖書辞典」（新教出版社）
「新 聖書註解3」(いのちのことば社)
