はじめに
今日は、「偶像礼拝」という聞きなれない言葉について聖書がなんと言っているのか解説します。
私が小学生の時に友達とよく遊んだ場所の一つはお寺の敷地内にある公園でした。その入口には「金剛力士像」という５mほどの大きさの像があり(子供だったので実物以上に大きく感じただけかもしれませんが)、その入口を通らないと公園には行けなかったのです。像の顔が怖くていつも見ないふりをしていたような記憶があります。このブログを見られる方の中にも同じような経験をした方がいるかもしれませんね。
世界のどこにでもたくさんの礼拝(崇拝)対象としての仏像、彫像、記念像、絵画、動物の像があります。では、それらに手を合わせて拝むことを「偶像礼拝」と言うのでしょうか？そもそも、偶像って何なのでしょうか？
この記事を読めば、偶像礼拝について、聖書が何を言っているかがわかるようになります。特に旧約聖書の十戒から偶像礼拝のルーツを知ることができるようになります。
ゆうき牧師のYouTubeチャンネルでは、世の終わりについて聖書が何を言っているかだけにフォーカスを当てた聖書の終末預言シリーズ動画や、日常生活にすぐに適用できる3分の短い聖書のメッセージ動画をアップしています。「この世はこれからどうなるのか?」「聖書をもっと学んでみたいな」という方は、YouTubeのチャンネル登録をよろしくお願いします。
聖書は偶像礼拝について何と言っているのか
結論を一言でいうと、 偶像礼拝とはただ一人の神様に人間が反発することです。
十戒
イスラエルの民がエジプトでの奴隷生活から逃れ出た時の様子がえがかれた聖書の中の二つ目の書物「出エジプト」に次のような言葉が書かれています。
わたしは、あなたをエジプトの地、奴隷の家から導き出したあなたの神、主である。
聖書(出エジプト20：２)
これは人に神様が守るようにと定められた律法である「十戒（じっかい）」の冒頭で聖書の神様が告げられた言葉です。
この神は偉大な力を持っておられ、10の災いや紅海が割れるという奇跡を通して、男性だけでも60万人を超えるイスラエルの民をエジプトから脱出させ、解放した神であることをまずは思い起こさせようとされました。
そして、この言葉の後に告げられる「十戒」がイスラエルの為に与えられた目的は、”すで”にエジプトの奴隷の家から解放された人が従い守り行うことだということです。救われるために守らないといけないルールとか、赦されるためにするべき事柄の列挙ではありません。
同様に、イエス・キリストにある十字架の贖いの御業によって罪から救い出されたクリスチャンも聖書の神を唯一の神として信じ、その戒めを守るように聖書は教えています。
神様はただ一人
この十戒の第二戒に偶像を造り、それを拝むことについて告げられています。
4あなたは自分のために偶像を造ってはならない。上の天にあるものでも、下の地にあるものでも、地の下の水の中にあるものでも、いかなる形をも造ってはならない。
聖書(出エジプト20：４～６)
5それらを拝んではならない。それらに仕えてはならない。あなたの神、主であるわたしは、ねたみの神。わたしを憎む者には父の咎を子に報い、三代、四代にまで及ぼし、
6わたしを愛し、わたしの命令を守る者には、恵みを千代にまで施すからである。
聖書の神様は偶像を造ることを明確に禁止されました。
どんな形のものであれ自分の為に造ってはならない
木の神様や水の神様等の像を造ることばかりでなく、「上の天にあるもの」も造ってはならないと書かれていますから聖書の神様の像を造ることも禁じられています。実際に聖書の神様を求めて「金の子牛像」を造った民は滅ぼされました。
造った偶像を拝んだり、仕えてはならない
自分が造るだけではなく、他人が造った偶像を礼拝の対象にすること、また偶像を通して聖書の神様を礼拝することも禁じられています。
神様に反発すること
新約聖書における偶像礼拝も旧約聖書の十戒にそった形で記されていますが、すこし特徴があるのは次の個所です。
９また私たちは、彼らのうちのある人たちがしたように、キリストを試みることのないようにしましょう。かれらは蛇によって滅んでいきました。
聖書(Ⅰコリント10：９、14)
１０また、彼らのうちにある人たちがしたように、不平を言ってはいけません。彼らは滅ぼす者によって滅ぼされました。
１４ですから、私の愛する者たちよ。偶像礼拝を避けなさい。
この箇所では偶像礼拝が、神に逆らうこと、救い主イエス・キリストを軽んじて反発したことと、並行した形で記されています。
これは、私たちが神様よりも自分を優先させること、神様の思いよりも、自分の思いの方が重要だと考えることは、「心の王座」には神様ではなく自分が座っていて、自分こそが「神様」で一番だと考えていることと同じだからです。
まとめ
偶像礼拝は一言で言うならば、ただ一人の神様に反発することです。
1.十戒は救われたものが守るべき戒めが記されています
2.聖書の神以外を礼拝することと同じように、聖書の神様の像を造ったり、それを拝んだりすることも偶像礼拝だと聖書は告げています。
3.神様中心の生活ではなく、自分中心な自己中心的な生活も偶像礼拝です。
参考：ウェストミンスター信仰基準(新教出版社)
神への礼拝と死者の慰霊（櫻井圀郎）
