【人生を変える聖書のメッセージ#25】イエス・キリストはいのち「なぜ、生きているのに生き生きしないのか?」(ヨハネの手紙第一1章1-4節)

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はじめに

ハレルヤ!全能の神が統治される。 この世の王国はなった われらの主とそのキリストの王国に。 そして彼が永遠の永遠まで統治する。 王の王、主の主よ。

 ハレルヤコーラスで有名なヘンデルの「メサイア」です。 
ヘンデルはクリスチャンの家庭に生まれ、キリスト教の教育を受けましたが、いつも神とは距離を置いた生活を送っていました。
ある日、そんな彼に試練が訪れました。
突然、脳卒中で倒れてしまったのです。
借金はふくれあがり、友人はみな去って行き、孤独と挫折だけが残った彼は、酒におぼれる日々を過ごしました。

そんな彼を変えたのは、一通の手紙でした。
友人が、イザヤ書40章1節をもとに書いた詩を送り、それをもとに賛美を作曲するように勧めたのです。

そのみことばは「『慰めよ。慰めよ。わたしの民を』とあなたがたの神は仰せられる」でした。

ヘンデルは、繰り返し詩を読みながら神の慰めを経験し、今までの自分の人生と信仰を振り返って胸が熱くなりました。
大きな感動に包まれた彼は、 22日間、寝食を忘れて曲を書き上げたといいます。

こうしてできたのが、先ほど聴いていただいた名作「メサイア」です。
当時を回想し彼はこう告白しました。
「私は、自分の体の外にいたのか、中にいたのかわかりません。そのとき天が開いて、私は神のみそばに立ち、主と交わり、何かをしていたことだけが記憶に残っています」

名ばかりのクリスチャンであったヘンデルは、聖書のみことばに繰り返し触れることで、神様を体験しました。
これは実際にあった話です。

イエス・キリストを知識だけで知っているのと、ヘンデルのように、イエス・キリストを体験を通して知っていることは全然違います。

私たちはどうでしょう?
イエス・キリストを体験を通して知っているでしょうか?

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ヨハネの体験

今日の箇所を書いたイエス様の12弟子の一人であったヨハネは、イエス様を体験したことを次のように証言しました。

初めからあったもの、 私たちが聞いたもの、 目で見たもの、 じっと見、 また手でさわったもの、 すなわち、 いのちのことばについて、

聖書(1ヨハネ1:1)

どういう意味でしょう?

初めからあったもの、 私たちが聞いたもの、 目で見たもの、 じっと見、 また手でさわったもの、 それが→ いのちのことば 
つまり、いのちのことばは、初めからあったもので、 私たちが聞いたもので、 目で見たもので、 じっと見て、 また手でさわったものであるとヨハネは言います。

このいのちが現れ、 私たちはそれを見たので、 そのあかしをし、あなたがたにこの永遠のいのちを伝えます。 すなわち、 御父とともにあって、 私たちに現された永遠のいのちです。

聖書(1ヨハネ1:2)

このいのちが現れた? 私たちはそれを見た。つまり、ヨハネたちはいのち、いのちのことばを実際に見たんだと言っているのです。

いのちも、いのちのことばも、イエスキリストのことを示します。
つまり、ヨハネが言いたいことは、神が人となって生まれたイエス様を、ヨハネとその共同体である「私たち」が目撃したということです。

ここで使われている、「聞いたもの、 目で見たもの、 じっと見、 また手でさわったもの」という表現は、証人に対して適用される言葉であり、その証言が偽りのない確かなものであることを力強く生き生きと伝えています。

ヨハネはなぜこれらの内容で本文を書き始めたのでしょうか。
それは、当時、神が肉体を持ってこの世に来られたということを否認する人々がいたからです。
つまり、イエス様は100%神だったけど、人間ではなかったと信じる人たちです。

しかし、ヨハネは、「私たちは、この耳でイエス様の声を聞き、実際にこの目で見て、またイエス様の体をこの手でさわった。」
イエス様は100%人間であったと証言します。

一方で、イエス様は100%人間だったけど、神ではなかったと信じる人たちもいました。
イエス・キリストは歴史上の偉大な人物、聖人、宗教の創始者だ。
しかし、ヨハネはたった一言でその考えを否定します。

初めからあったもの、 私たちが聞いたもの、 目で見たもの、 じっと見、 また手でさわったもの、 すなわち、 いのちのことばについて、

聖書(1ヨハネ1:1)

「初めからあったもの」という言葉です。
イエス様は、造られた存在ではなく、初めから存在された創造主。100%神だと証言しているのです。

100%神であり、100%人であるイエス様がこの地上に来られたのが、クリスマスです。
イエス様が確かにイスラエルという国に生まれたのは、歴史上の事実であります。

しかし、クリスマスは、イエス様のお誕生日をお祝いするという私たちの側の視点で理解してはいけません。
なぜ、神が人として、地球に来られたのか?
神様の側の目的がありました。だからわざわざ、天から来られたのです。

 それは、「私たちにいのちを与える」という目的です。 

いのち。
急に出てきたフレーズではありませんね。

1 初めからあったもの、 私たちが聞いたもの、 目で見たもの、 じっと見、 また手でさわったもの、 すなわち、 いのちのことばについて、
2 −−このいのちが現れ、 私たちはそれを見たので、 そのあかしをし、 あなたがたにこの永遠のいのちを伝えます。 すなわち、 御父とともにあって、 私たちに現された永遠のいのちです。

聖書(1ヨハネ1:1-2)

自殺について

インターネットにどんな質問もお坊さんがQ&Aの形で答えてくれる掲示板があるのを見つけました。
そこに次のタイトルでひとつの投稿が載っていました。

「自ら命を絶つことはいけないことですか?」
以下、本文をそのまま読みます。

高校生の女子です。

最近、死にたいというわけではないのですが、このまま生きることをやめてすっとこの世界から消えて楽になりたいと思うことがよくあります。

今現在私の複雑な家族関係や、学校、受験、のことなど生活の中が問題で溢れかえっていて、普段はなんとかそれらの問題に向き合っていますが、一人になったときや、ふとした瞬間にとてつもなく苦しくなって、涙が溢れてきます。

また、テレビなどで、生きることがどれだけ恵まれているか、ということを教えるため(?)の感動ドラマや、かわいそう、という共感を目的とした番組などを見て、どうして人間はそこまで生きることにこだわるのだろう?という素朴な疑問を抱いてしまいます。

世の中の大人の方々ってすごいなって思います。みんないろいろなものを背負いながらも頑張って生きてきていて…
私は、今のような苦しい思いをしながらこの先何十年も生きていける自信がありません…。

みなさんは、実際に、このような疑問を大切な人に相談されたら、どのように答えますか?

ご存知の方も多いと思いますが、日本における若い世代の自殺は深刻な状況にあります。
厚生労働省が出している年代別の死因順位というデータをみると、15~39歳の各年代の死因の第1位は自殺です。
男女別にみると、男性では10~44歳という、学生や社会人として社会を牽引する世代において死因順位の第1位が自殺となっており、女性でも15~34歳の若い世代で死因の第1位が自殺となっています。

1億2700万の日本人は、今も心臓は動き、生きています。
これもひとつの現実ですが、そのうちの大勢の日本人はまた生きていながらも、自ら命を立つことを願っている、たとうとしているということも紛れもない現実であります。

命があるのに、命がない現実です。
生きているのに、生き生きしない。

なんで?
聖書を見れば、理由がわかります。

 これは、いのちである神様から離れた霊的な死の結果なのです。 

人間は、神のいのちの息によって、生きものになったと聖書は言っています。

神である【主】は土地のちりで人を形造り、その鼻にいのちの息を吹き込まれた。
そこで人は生きものとなった。

聖書(創世記2:7)

私たちもそうです。
私たちはみな、母の胎から生まれましたが、命がいつ、どうやって芽生えたかはわかりません。
これは神秘です。
神が命を吹き込んで、人は生まれるのです。

アダムとイブの罪と死

しかし、続く創世記3章で、人類の祖先であるアダムとイブが罪を犯し、死が人類に入り込みました。

神様は、善悪の知識の木の実を食べるなら、必ず死ぬといいました。

しかし、 善悪の知識の木からは取って食べてはならない。 それを取って食べるとき、 あなたは必ず死ぬ。 」

聖書(創世記2:17)

善悪の知識の木の実を食べたアダムとイブは死にましたか?

6 そこで女が見ると、 その木は、 まことに食べるのに良く、 目に慕わしく、 賢くするというその木はいかにも好ましかった。 それで女はその実を取って食べ、 いっしょにいた夫にも与えたので、 夫も食べた。
7 このようにして、 ふたりの目は開かれ、 それで彼らは自分たちが裸であることを知った。 そこで、 彼らは、 いちじくの葉をつづり合わせて、 自分たちの腰のおおいを作った。

聖書(創世記3:6-7)

死んでいません。
神様は、「あなたは必ず死ぬ」と言われました。
なぜでしょうか?
神様は嘘をついたのでしょうか?カマをかけたのでしょうか?

いいえ、それは、目に見える命だけが全てではないということです。
聖書は、肉体的な死の他に、霊的な死があることをはっきりと語っているのです。

神様に従わないという罪によって、聖なる神様から離れてしまい、人は霊的に死ん
でしまいました。
 命の供給源である神さまと離れたからです。 

お坊さんの答え

先ほどの女子高生の投稿には実は続きがあります。
最後にこのような質問で終わっていました。

人はどうして生きることを必死に求めるのですか?
本能ですか?
死にたくないから生きるのですか?
自ら生きることを絶つのはいけないことですか?

その下に、お坊さんたちの回答が載っていました。

・人は、四苦八苦(しくはっく)の四苦「生、老、病、死」からは逃れられない。
「今だけを今日だけを生きるだけ。明日は誰も分からない!」
・「生きなければならない」から皆生きているのです。
・「死生観」というものも、世間的なモノの見方・考え方においては、人それぞれにおいての価値観や思想信条等によっても、あれやこれやとあり、「これで正解」というものを正直見いだせるというものではありません。仏教を学んで見てください。

みなさん、優しさと厳しさを持って、真摯に答えられてましたが、 結局「答えは誰にもわからない」 
私はそのように受け取りました。

しかし、聖書ははっきりと答えています。

人はどうして生きることを必死に求めるのですか?
⇨人が生きているのではなく、人は、神によって生かされているのです。

自ら生きることを絶つのはいけないことですか?
⇨いけません。あなたは神に命を与えられた、尊い存在。神に愛されている人だからです。

でも、神様がいるかどうかもわからないし、この苦しみの人生は何の意味があるのですか?!
そう思いたくなるかもしれません。

確かに、人生には苦しみがあります。
なぜ、苦しいのか、それは罪が入り込み、いのちの源である神様から離れてしまったからです。
神様がわからなくなったのも、そのためす。

イエス・キリストは、この罪からくる死の問題を解決するために、いのちとして来られました。
いのちの供給源である神さまと離れた人間は、神様ともう一度結びつくならば、生きるのです。

3節を読んでみましょう。

私たちの見たこと、 聞いたことを、 あなたがたにも伝えるのは、 あなたがたも私たちと交わりを持つようになるためです。 私たちの交わりとは、 御父および御子イエス・キリストとの交わりです。

聖書(1ヨハネ1:3)

「交わり」と訳されたコイノニアは、連合という強いニュアンスがあります。
単なる交わりや交際を越えた強い一致を表し、「神とつながっている」と訳したしたほうが適切かもしれません。

そして、 この神との結びつきの交わりこそが人間に真の喜び、生きる喜びを与えます。 

私たちがこれらのことを書き送るのは、 私たちの喜びが全きものとなるためです。

聖書(1ヨハネ1:4)

まとめ

イエス・キリストを知識だけで知っているのと、ヘンデルのように、イエス・キリストを体験を通して知っていることは全然違います。

ヘンデルは、神を体験し、人生を生きる喜びで満たされ、彼の人生は完全に変わったのです。
私たちはどっちでしょう?

イエスは言われた。 「わたしは、よみがえりです。いのちです。わたしを信じる者は、死んでも生きるのです。

聖書(ヨハネ11:25)

このように言われたイエス様を体験していますか?

生きているのに、生きている喜びがない。
生き生きしていない。
一時的に喜びや楽しいことはあっても、完全には満たされない。
私の人生には何の意味があるんだろう。
なぜ、生きているんだろう。

そう思われる方は、イエス様に繋がってください。
イエス様を求めてください。
 神につながれば、生きるのです。
喜びで満たされるのです。 

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この記事を書いた人

牧師。ライフコーチ。
1985年札幌で生まれる。小樽商科大学を卒業後、三菱UFJ信託銀行で3年間勤務。関西聖書学院(KBI)で1年間聖書を学ぶ。CCC(Campus Crusade for Christ)短期宣教を通じて出会った、当時CCC専任スタッフのク・ソンリムと2012年に結婚。2013年から3年間ソウル・オリュン教会日本語礼拝部伝道師として仕えつつ、トーチ・トリニティ神学大学院英語コース修士課程(Torch Trinity Graduate University/Master of Divinity)を修める。2016年から3年間、母教会札幌キリスト福音館で牧師として仕えた後、2019年より、札幌ガーデンチャーチを開拓。

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