あなたの周りに、こんな人はいませんか?
- いつもは親しいのに、ときどきグサッと傷つけてくる人
- 正義やモラルを盾に、あなたを悪者扱いしてくる人
- 出世や評価のために、ひそかに仲間を蹴落としている人
これらの人たちは、ひょっとすると、善人を装ってあなたを陥れようとするマニピュレーターかもしれません。
マニピュレーターとは、直訳すると「操る者」という意味です。
旧約聖書のエステル記に、ハマンというマニュピレーターが出てきます。
前回まで、ハマンが嘘と陰口を用いて、ペルシャのクセルクセス王を操ろうとしたことに注目しましたが、今回は、彼が使った最後の一押しをみていきましょう。
王様。もしよろしければ、彼らを滅ぼすようにと書いてください。私はその仕事をする者たちに銀一万タラントを量って渡します。そうして、それを王の宝物庫に納めさせましょう。」
聖書(エステル記3:9)
ハマンは、単刀直入に、ユダヤ民族を虐殺してほしいと申し出ます。
かなりイカれた内容です。
流石に、ペルシャ王国の王といえども、悪いことをしていない民族を皆殺しにすることは簡単なわけではありません。
このことで、ペルシャ王国の支配下にある他の民族が、恐れて、反逆することにもなりかねないからです。
そこで、ハマンは猛烈な最後のワンプッシュをします。
王に膨大な額のお金を納めると約束したのです。
賄賂です。
この賄賂がどれだけ効果があるかは、当時の歴史背景を知ると、よく理解できます。
当時のペルシャ王国は、度重なる戦争や、来たるギリシャ遠征により、喉から手が出るほどお金が必要で、王としては絶対にいらないとは言えませんでした。
王はハマンに言った。「その銀はおまえに与えられるようにしよう。また、その民族もその銀でおまえの好きなようにするがよい。」
聖書(エステル記3:11)
その後、王はお金は、要らないといいますが、これは東洋的な謙遜の表現であり、この後、王は確かにお金を受けとったことがわかっています。
ハマンは賄賂を渡す事で、王の弱点を巧みに突き、王を利用したのです。
私たちも、相手の弱みをついて人を利用することがあります。
まず、相手が欲しいものを満たす事によって、こちらの味方につける。
ビジネスでは接待と言うことばがありますね。
「タダよりも怖いものはない」と言う言葉も、私の銀行時代の課長がよく言っていました。
賄賂というとあまり、馴染みが湧きませんが、例えばこんなことも賄賂と同じことです。
自分に不利なことが起こっても孤立しないように味方を作っておく。
誰も自分に多くのプレゼントをくれる人に反対はしづらいはず。
その動機は何でしょうか?
「人を支配して自分を正当化したい」ということです。
本来は、味方を作る必要はないのですが、私たちは、賄賂で誰かを自分を正当化するために利用するのです。
大事なことは、私たちも、無意識に、自分の怒りや主張を正当化するために誰かを操ってしまうということです。
もし、どうしても自分の嫌な気持ち、不満、怒りを発散したい時は、神にその気持ちをぶつけて祈ればいいんのです。
神様は、弱みがありませんので、買収不可能です。
しかし、神様は、あなたの正当化したい怒りの拳を受け止めてくる器の大きさを持っています。
受け止めてくれるというか、すでに2000年前に十字架上で、受け止められました。
イエス様とともに、十字架の前に出ましょう。