手術で使われる鎮痛剤モルヒネと似ている脳内ホルモン「エンドルフィン」があります。
実はこのエンドルフィンは私たちが何かに感謝する時にたくさん分泌されるようになっています。
つまり、喜べない状況でも、感謝をすれば、自動的に喜びが脳から溢れる仕組みが人間にはあるのです。
聖書にも、感謝が喜びを生み出す箇所が出てきます。
あなたがたのことで、どれほどの感謝を神におささげできるでしょうか。神の御前であなたがたのことを喜んでいる、そのすべての喜びのゆえに。
聖書(1テサロニケ 3:9)
指導的な立場にあったパウロはテサロニケの教会員のことを考えると喜びが溢れると言っています。当時この教会には問題も多く、感謝できないことの方が多かったはずです。
しかし、彼は感謝しています。
ポイントは、喜んでいるから感謝できるのではなく、感謝しているから喜びが溢れているということです。
『生きるって、すばらしい』という本の著者田原米子さんは、18歳のとき電車に飛び込み両足と片腕を失いました。
その後、牧師夫人となった彼女は、このように言っています。
右手に残った三本の指で初めてジャガイモの皮をむこうとしたときのことです。
床に落ちて転がっていくジャガイモを必死に追いかける私の心は、焦りと絶望でいっぱいでした。
そのとき、神に叫びました。
「主よ。私のような者も神の子としてくださり、結婚までさせてくださって感謝します。主人が帰宅する時間が差し迫り、子どもも夕食を待っています。でも、私はジャガイモの皮をむくことができません。私の弱さをご存じの主よ、このジャガイモの皮がむけるよう助けてください」
祈り終えると、ことばにできない深い平安で満たされ、良い考えが浮かびました。
ジャガイモを洗って、まな板の上で半分に切り、皮をむき始めましたが、ジャガイモはまな板の上で張り付いたように動きませんでした。
絶望を感じる時にこそ、感謝をすれば、エンドルフィンが分泌され、プラスの発想が生まれやすい状況になるのです。