はじめに
今日は、社会に影響を与える仕事の仕方についてお話します。
世の中には多くの成功者がいますが、彼らが口を揃えて言うことがあります。
それは、仕事で成功するためには「誠実さを磨く必要がある」と言うことです。
世界一の投資家であり「オマハの賢人」と言われる投資家・ウォーレン・バフェット氏は、成功する資質の一つとして「誠実さ」を挙げています。
率先する心や知能は皆持っているが、その中でもより成功する者が出てくる。そして、それを決定づける能力は持って生まれるのではなく、養われるものである。
出典:世界一の投資家バフェット氏が教える「働き方」(youtube)
…それは、「誠実な心」である。
パナソニック創設者の松下幸之助氏も同じことを言っています。
幸之助は、苦労する時にも誠実に苦労に取り組み、そのことで人々の心を動かしていったのです。誠意誠実以上に幸せに生きる道はありません。「君、誠実が一番大切やな」
出典:木野親之氏(2009)『松下幸之助に学ぶ指導者の三六五日』コスモ教育出版
ある時ポツリと幸之助が言ったことを覚えています。
仕事で成功するためには「誠実さが重要」という主張に、真っ向から反論する人はいないでしょう。
今日の記事を読むと「社会に影響を与える仕事の仕方とは何か?」を聖書から知ることができます。
実は成功者が口を揃えて語るこの誠実さと言うのは、聖書も同じことを言っているのです。
この記事は2020年に出版した「仕事と聖書」という本の内容が元になっています。もし、この本に少しでも興味のある人は、こちらからLINE友達か、メールマガジンの登録をしてください。
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「社会に影響を与える仕事の仕方とは何か?」
結論を一言で言うならば、神に仕えるように誠実な仕事をすると言うことです。そんなこと聖書に書いているのでしょうか?
はい、聖書に書いています。
何をするにも、人に対してではなく、主に対してするように、心から行いなさい。
聖書(コロサイ人への手紙3・23)
ここでは、何をするにもと言う条件がありますので、基本的には仕事も仕事以外のことも全てにおいてと言うことです。
しかし、元々、この聖書箇所は、クリスチャンの奴隷に対して語られたことばです。
基本的にこれは主人に仕えます。仕えると言う事は、給仕すること。つまり働くと言うことです。
この箇所は、働く私たちにとっても重要な箇所。適用することができるメッセージが隠されている箇所です。
当時、奴隷の人格は認められていませんでした。主人は、奴隷をどのようにひどく扱っても、法的に問われることはありませんでした。
もちろん、そのような奴隷制は聖書的ではありません。なので、クリスチャンになった奴隷は、疑問に思うわけです。
「この主人の俺に対する扱いって、聖書的じゃないよな?」
こうして、主人に従わない奴隷も生まれてきたのではないでしょうか?
しかし、この聖書箇所を書いたパウロは、
奴隷たちよ、すべてのことについて地上の主人に従いなさい。人のご機嫌取りのような、うわべだけの仕え方ではなく、主を恐れつつ、真心から従いなさい。
聖書(コロサイ人への手紙 3・22)
と奴隷に勧めるのです。
なぜか?
それは、すべての制度の上に神様がおられ、ちゃんと見ておられるからです。
主人が絶対的に正しいとか、奴隷制の仕組みが間違っていないという意味ではないのです。
主人がどうこういう前に、まずあなたは、主に対して誠実な態度で仕えなさい。と言われているのです。
ちゃんと、主が見ておられるからです。
あなたがたは、主から報いとして御国を受け継ぐことを知っています。あなたがたは主キリストに仕えているのです。不正を行う者は、自分が行った不正を報いとして受け取ることになります。不公平な扱いはありません。
聖書(コロサイ人への手紙 3・24-25)
だからこそ、パウロは主人にもこのように言います。
主人たちよ。あなたがたは、自分たちも天に主人を持つ者だと知っているのですから、奴隷に対して正義と公平を示しなさい。
聖書(コロサイ人への手紙 4・1)
正義と公平は、愛と尊敬がないと成り立ちません。
つまり、神を畏れる主人は、奴隷の人格を尊重し、愛によって接します。これをしない主人は、その主人の本当の主人である神様から裁かれるのです。
しかし、注意すべきは裁くのは神様であり、奴隷ではないのです。
エペソ人への手紙にはこのようにあります。
主人たちよ。あなたがたも奴隷に対して同じようにしなさい。脅すことはやめなさい。あなたがたは、彼らの主、またあなたがたの主が天におられ、主は人を差別なさらないことを知っているのです。
聖書(エペソ人への手紙 6・9)
「同じように」とはすごい言葉です。文脈を考えると、主人も主に仕えるように真心を持って奴隷に仕えなさいという意味に取れるからです。
これは、正しいでしょうか?
正しいのです。
イエス様は主人なのに、弟子たちの足を洗い、私たちすべてのものに仕えられました。
人の子が、仕えられるためではなく仕えるために、また多くの人のための贖いの代価として、自分のいのちを与えるために来たのと、同じようにしなさい。」
聖書(マタイの福音書20・28)
この話は、私たちの職場の上司に対する私たちの態度についても適用できます。
私たちは、うわべだけで上司に仕えることができます。
外側では、くしゃくしゃの笑顔で、歯切れの良い返事、俊敏な動きで上司を感嘆させることは可能です。上司は、神ではないので、私たちの心の内側まで知ることができないからです。
そのようなやり方で、どんどん出世していく人もいるでしょう。
しかし、聖書は、それじゃダメだと言っているのです。「真心から上司に仕えなさい。」と言っているのです。
なぜなら、「神様はあなたの心を見ている」からです。
人の目を気にして仕事をするのではなく、神様の目を気にして仕事をしなさいとも言えるでしょう。
もちろん、これは上司だけにではなく、部下に対しても、同僚に対しても、取引先に対しても、すべての人に対する態度であることは言うまでもないでしょう。
考えて見ましょう。
私たちは、職場でどのような態度で仕事をしているでしょうか?
人が見ていないところでも、神様に仕えるように誠実に仕事をしているでしょうか?
人によって、態度を変えていないでしょうか?
うわべだけで上司に仕えていないでしょうか?
部下に対して、横柄な態度で接していないでしょうか?
私たちが働く時に相手がどんな人でも、どんな状況でも「誠実に」働くならば、必ずそれは周りの人々に影響力を与えます。
なぜか?
それは、聖書が命じているからです。
聖書が命じていることは、神様の御心に叶ったことであり、神様はそれを必ず評価してくださいます。
私が銀行に働いていた時、支店の中に成果にめちゃめちゃ厳しい女課長が直属の上司になりました。
椅子があるのにいつも立っていて、いつも、右手をフェンシングのように前に突き出して指示を飛ばすのです。
「飯田くん!これやっといて!あれどうなった?」
この上司は、今でいうパワハラ全開で、私の目の前で、私の先輩がめちゃくちゃに怒られているのを何度も見ました。
「あなたは何で私が言ったこともできないの?それくらいしかやる能力ないんだから、ちゃんとしなさいよ!」
支店中に響き渡った時には、私はその先輩を直視できませんでした。
主の恵みにより、1年目から数字をあげていた私は、ほとんど怒られることはありませんでしたが、内心は怒られないようにいつも大きなプレッシャーを感じていました。
私の周りは先輩も同期も、いつもこの上司の悪口を言っていました。
「あれは、パワハラだよ!」「ありえない!」「はいはいって適当に言って、無視しとけばいいんだよ。」
しかし、私が課の営業推進役になった時、課長と同僚との間で、板挟みになります。
営業推進役は、自分の成績はもちろん、課全体の営業成績が上がるように、様々な施策を考え、チームメンバーを励まし、時には教育もします。3年目には、私のボーナスの査定の90%は課の成績に連動していました。
つまり、自分が頑張るのは当たり前、いわゆるプレイングマネージャーです。
推進役は、課長の右腕になり、結果にこだわることが必要だ。
一方で、同僚の気持ちも手に取るようにわかるので、プレッシャーはかけたくない。
その時、クリスチャンとして私はどのような態度でこの状況に向き合えば良いかを自問し、祈っていました。そして、先ほどのコロサイ書の箇所を握り、とにかくこの課長にとことん従ってみようと決心しました。
心がけたこと
- 朝、課長より早く出社。
- 課長の話には(何時間でも)付き合う→不安を吐き出してもらい、考えをまとめることを助ける。
- 課長の立場で考える。→課の成績を出すために全員の協力が必要。一人一人に当事者意識を持たせ結果にコミットしてもらう。
- 自分の結果にもコミット→必ず結果は出す。その上で、課全体の数字も上げる。
- 常に返事は「はい」→どうやったら達成できるかプロセスを考え抜く。
- 課長の上司である部長や支店長には、課長の頑張りを伝える。→嘘は言いません。
- 毎日、課長のために祈る。
もちろん、全てがうまくできていた訳ではありません。がむしゃらで、自分が知らない間に、多くの人に迷惑をかけたと思います。
しかし、課長から与えられた責務を果たそうと一生懸命になっていると、どんどん同僚たちが助けてくれました。
これは、驚くべきことでした。
結果、支店の成績はうなぎ上りで、社長賞を含む賞を総なめにしました。
これは、支店長、課長、優秀な同僚と後輩たちが一致団結した結果でした。
そして、この課長は女性としてはかなり異例の女次長になり、最終的には支店長にまでになられたと聞きました。少しでも課長の出世に部下として貢献できたことが、とても嬉しかったです。
そんな中、一番嬉しかったのは、夜遅くまで残業していて、課長と二人きりになった時、課長の心の本音が聞けたことです。
どんな話だったかは、ここでは長くなるので、割愛します。
ぜひ、仕事と聖書と言う本を読んでみてください。
とにかく、聖書の言う通り、どんな上司であっても、もちろん、私は当時の女課長にとても可愛がられて、今でも尊敬していますが、「誠実に仕事をする」ことを決意するなら、神様は見てくださると言うことです。
まとめ
それでは、今日の話をまとめましょう。
社会に影響を与える仕事の仕方とは何か?
結論を一言で言うならば、神に仕えるように誠実な仕事をすると言うことです。
次回は、「社会に影響を与える仕事の仕方②」について聖書から説明します。
乞うご期待!