はじめに
今日も、引き続き、エジプトの総理大臣として、社会に影響を与えたヨセフについてお話します。
ヨセフは、本当に社会に影響を与えたのでしょうか?
言うまでもありませんね。
彼はエジプトの総理大臣になって、実質的にエジプトを治めました。
そして、彼はその立場を自分の欲やファラオのために使わずに、主の夢(みことば)の成就のために用いました。
この夢は、ヨセフの家族の救いにつながります。
ヨセフの家族が、飢饉を乗り越えることは、イスラエル民族が生き残ること。
そして、これはアブラハムへの神の契約の成就、そして彼の兄弟のユダからイエス様が生まれるというもっと大きい神様のご計画のために用いられることになるのです。
彼の仕事が、エジプトだけではなく、イスラエル、そして全世界に影響を与えていくのです。
今日の記事を見れば、創世記に出てくるヨセフの人生から、彼がいかにしてこれらの仕事を通して、社会に影響を与えたのかを聖書から知ることができます。
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ヨセフは、神様から与えられた賜物を用いて、卓越した仕事をしました。
ヨセフの賜物とは何でしょうか?
3つの賜物を今日は取り上げていきたいと思います。
賜物と言うことがわからない人とは、過去の動画を参考にしてください。
①夢を解き明かす聖霊の賜物。
これで牢から出て一気にファラオに気に入られました。
ヨセフは彼に言った。「その解き明かしはこうです。三本のつるとは三日のことです。
聖書(創世記40・12)
実は私は、ヘブル人の国から、さらわれて来たのです。ここでも私は、投獄されるようなことは何もしていません。」料理官長は、解き明かしが良かったのを見て、ヨセフに言った。「私の夢の中では、頭の上に枝編みのかごが三つあった。
聖書(創世記41・15-16)
牢獄からエジプトの宰相になるために、彼がしたことはこれだけでした。
神様が私たちの常識に制限されていると勘違いしないでください。
神様は時に私たちの超自然的な賜物を使って、一発で事を変えることのできる方なのです。
賜物が超自然的であればあるほど、人々はそこに神様が働いておられることを見るのです。
使徒の働きでも、聖霊に満たされた使徒たちは異言を語り、周りの人を驚嘆させます。そして、癒しと奇跡、悪霊を追い出しました。もちろん、これはイエス様もされたことです。
私たち人間に悪霊を追い出す力は生まれつき備わっていません。
聖霊の働きだからです。
②能力と性格
彼には、もともと忠実に管理する賜物がありました。
彼は仕えた三人の主人それぞれの何かを管理していました。これは、人格も含めて、相当の賜物が必要でしょう。
机の上にいつもものが散乱している人、一度に何個のことを同時で進めるのが苦手な人は、管理の賜物がないかもしれません。
一方、ヨセフは管理が得意だったようです。
彼が主人の何を管理して来たかに注目すれば、生まれつきの管理の賜物を伸ばす訓練の時期があったようです。
ポティファルのもとで、財産を管理。
監獄の長のもとで、囚人を管理。
ファラオのもとで、国を管理。
神様は、どうやら、将来に備え政治家の訓練をしていたようです。
まずは、ポティファルのもとで、財務大臣としての財務管理能力の訓練。
次に、監獄の長のもとで、総理大臣になるための人事管理能力の訓練。
この訓練の結果、ファラオのもとで総理大臣になりました。
ポティファルはファラオの側近です。取り扱う財産は相当の額であったでしょう。一家の家計簿はもちろん、大企業の財務でもありません。天下のエジプトの財務です。
監獄の長の囚人は、何人いたと思いますか?
日本最大の府中刑務所は、男性受刑者だけで3,000人ほどです。
今より法律が整っていない当時のエジプトの首都ですので、外国からの受刑者を含め3,000人はゆうに超えていたでしょう。
また囚人たちの性格は、管理しやすかったでしょうか?
もちろん、激しい性格で、悪賢い人も多かったはずです。
ヨセフは、そこでどうやって人の心を掴みまとめていくのかを学び、大人数を管理するシステムも構築して行ったことでしょう。
聖書を軽く読み飛ばしていくのと、想像しながら読むのとでは、受け取る印象が違いますよね?
ヨセフの苦労の一つ一つは、若干30歳で総理大臣になるための神様による英才教育だったのです。
ちなみに、日本の内閣総理大臣の仕事は5つあるそうですが、ヨセフは全ての能力を持ち合わせています。(当時のエジプトは三権分立ではないので、役割は違うと思います。)
- 内閣のメンバーを決める。→人事は監獄の中で学んだ。
- 重要政策(予算や法律など)を決める。→財務はポティファルから、法律は父ヤコブ(神様の律法)から。
- 国会で説明→もともと兄弟に夢のプレゼンをする堂々さを持っていた。
- 外交→もともとヘブライ語をしゃべれた。(後にユダヤ民族をエジプトに連れて来る)
- 国家と国民を守る→不遇の経験から、7年間必死で働く忍耐力と忠実さを身につけた。
この能力に、彼の忠実な性格が相まって、卓越した結果を残したのです。
③経験
彼の能力を鍛え、生まれつきの性格を強化したのは、彼の不遇の経験です。
彼が、子供につける名前を見る時、彼がいかに辛かった、苦しんだかがわかります。
飢饉の年が来る前に、ヨセフに二人の子が生まれた。オンの祭司ポティ・フェラの娘アセナテが産んだ子である。ヨセフは長子をマナセと名づけた。「神が、私のすべての労苦と、私の父の家のすべてのことを忘れさせてくださった」からである。また、二番目の子をエフライムと名づけた。「神が、私の苦しみの地で、私を実り多い者としてくださった」からである。
聖書(創世記41・50-52)
大きなことを任せるためには、大きな器が必要です。
人々を受け入れられる人格です。
聖書では、練られた品性とも言われています。
それだけではなく、苦難さえも喜んでいます。それは、苦難が忍耐を生み出し、忍耐が練られた品性を生み出し、練られた品性が希望を生み出すと、私たちは知っているからです。
聖書(ローマ人への手紙5・3-4)
神様は、社会に影響を与えるために、ヨセフを用いるために、彼を試練で練り上げました。
ヨセフは多くの人に裏切られました。
兄弟に裏切られました。(嫉妬から奴隷として売られる)
次にポティファルに裏切られました。(濡れ衣だったのに)
そして、監獄の中で助けた人にも裏切られました。(出してもらう約束を2年間忘れられる)
注目すべきは神の守りの中で、ヨセフはこの長くて辛い試練に耐えぬいたのです。
傷付いたでしょう。腹立ったでしょう。悲しかったでしょう。家族に会えなくて寂しかったでしょう。彼は17歳の時に奴隷に売られています。
しかし、牢獄での先の見えない暗いトンネルの中でも、彼は主の訓練から逃げ出さなかったのです。
神様は、ヨセフがきっとこの試練に耐え抜き、総理大臣としてエジプト社会を変革すると信じていたはずです。
あなたがたが経験した試練はみな、人の知らないものではありません。神は真実な方です。あなたがたを耐えられない試練にあわせることはなさいません。むしろ、耐えられるように、試練とともに脱出の道も備えていてくださいます。
聖書(コリント人への手紙 第一10・13)
みなさん、私たちも試練に会った時、「神様にはご計画があるのだ」と信じましょう。
そして、ヨセフのように、これからあなたが用いられるためのものかもしれないのです。
1つ気をつけたいことは、もしあなたがどうしても耐えられないなら、それは神様からの試練ではない場合もあると言うことです。私はある苦しい状況にいた時、「自分が悪いんだ」と必死に耐えていましたが、祈っていると、どうも我慢し続けることが御心ではないように感じました。その時は、もううつ病に片足を突っ込んだ状態にあり、「このままいくと、精神が壊れる」と危機感を感じました。
そこで、思い切って、周りの人に弱さをさらけ出し、その場から逃げることを決意しました。
周りから何と言われるか気になったり、ダサい自分がとても嫌だったですが、今思ってみるとそれは正解だったと思います。
ただ、ほとんど場合は、逃げ出したい試練は、私たちを信仰的に成長させるために許されます。
神様が「よし」とされるまで、諦めないで、自分の賜物を磨いて行きましょう。
まとめ
それでは、今日の話をまとめましょう。
ヨセフはどのように、神様から与えられた賜物を用いて、卓越した仕事をしたのか?
- ①夢を解き明かす聖霊の賜物。
これで牢から出て一気にファラオに気に入られました。 - ②能力と性格
彼には、もともと忠実に管理する賜物がありました。 - ③経験
彼の能力を鍛え、生まれつきの性格を強化したのは、彼の不遇の経験です。
次回は、「聖書はお金について何と言っているか?」について聖書から説明します。
乞うご期待!