はじめに
今日は、「仕事をする上で重要な価値観」というテーマについてお話します。
マズローの法則によれば、人間の欲求には「生理的欲求」「安全の欲求」「社会的欲求(所属と愛の欲求)」「承認欲求」「自己実現の欲求」の5段階があります。
これら5つの欲求にはピラミッド状の序列があり、低次の欲求が満たされるごとに、もう1つ上の欲求をもつようになるのです。
これらの欲求は仕事を通して、ある程度満たされます。
「生理的欲求」「安全の欲求」は仕事の対価である賃金で満たされます。
お金を稼ぐために仕事をする根本はここの安定ですよね。
だから、急にリストラされたら、明日の生活を考えてとてつもなく不安になります。
次に、「社会的欲求(所属と愛の欲求)」と「承認欲求」。
毎日、会社に通うと人間関係が構築され、コミュニティができます。
もちろん、嫌な人間関係もありますが、この所属感は大事です。
定年退職した途端、この会社というコミュニティがなくなって、自殺する中年男性がいるくらい、重要です。
承認欲求は、やはり、仕事ぶりを誰かに評価されることです。
1~4のすべての欲求が満たされると、最後に残るのが「自己実現の欲求」です。
自己実現の欲求とは、自分にしかできないことを成し遂げたい、自分らしく生きていきたいという欲求を指します。
現代日本において、人々がこの第5番目の欲求を仕事を通して満たそうとしてると、感じませんか?
裕福になったことで「生理的欲求」「安全の欲求」は基本的に満たされます。
労務環境が整ったことで「社会的欲求(所属と愛の欲求)」「承認欲求」もある程度満たされていきます。
YouTubeの有名なキャッチフレーズ、「好きなことで、生きていく」はまさに、この第5の欲求に訴えかけるものです。
しかし、実はこの誰もが目指す第5の「自己実現の欲求」がゴールではないのです。
この欲求が満たされたら、気持ち良くなって、天から「合格!」と神の声が聞こえ昇天するとか、完璧な聖人になるとかはありません。
自己実現を果たした、億万長者や、企業の成功者たちは、この先にあるある欲求を果たそうとすることが、わかっているからです。
この記事を見ると「マズローの欲求5段階を超える究極の欲求」の正体を聖書から知ることができます。
それは、私たちが仕事をする上で重要な聖書の価値観だからです。
この記事は2020年に出版した「仕事と聖書」という本の内容が元になっています。もし、この本に少しでも興味のある人は、こちらからLINE友達か、メールマガジンの登録をしてください。
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「私たちが仕事をする上で重要な聖書の価値観とは何か?」
一言で言うならば、神を愛し、隣びとを愛するという神の国の価値観です。これが、「マズローの欲求5段階を超える究極の欲求」の正体です。
マズローの欲求段階説は、本来5段階です。実は5段目の続く、6段階目があるのです。「自己超越」という段階です。
晩年のマズローは、5段階の欲求階層の上に、個人の利益を超えて同胞や社会のために貢献したいという思いを6段目に置いたそうです。
これは、自分だけの利益を求めるのではなく、純粋に国やコミュニティの為に何らかの目的を達成しようという欲求です。
例えば、マザーテレサが貧困や病気に苦しむ人達の慈善活動に生涯を捧げたような、見返りのない行為への欲求のこと。
それが自己超越欲求です。
外交官の杉原千畝さんをご存知でしょうか?
彼は、第二次世界大戦下でナチスドイツの迫害に苦しむ約6,000人のユダヤ人難民を救った日本人です。
この自分に危険が及ぶリスクを顧みず、国境、宗教、戦争の敵味方を超えた杉原さんの利他の精神にたいし、後年になってヤド・バシェム賞(「諸国民の中の正義の人賞」)が贈られました。
この個人の利益を超えて同胞や社会のために貢献したいという思いこそが、この6段階の自己超越欲求です。
この欲求を満たすことこそ、人間にとって、一番幸福を感じるのです。
だからこそ、聖書で一番大事なメッセージ。
大事な価値観は、神を愛し、隣びとを愛するという価値観なのです。
実は、聖書の教えを要約すると、この「神を愛し、隣びとを愛する」という教えに要約されるのをご存知でしたか?
36 「先生、律法の中でどの戒めが一番重要ですか。」
聖書(マタイ22:36-40)
37 イエスは彼に言われた。「『あなたは心を尽くし、いのちを尽くし、知性を尽くして、あなたの神、主を愛しなさい。』
38 これが、重要な第一の戒めです。
39 『あなたの隣人を自分自身のように愛しなさい』という第二の戒めも、それと同じように重要です。
40 この二つの戒めに律法と預言者の全体がかかっているのです。」
なぜ、キリストは、「あなたの夢を実現しなさい」「自己実現が大事だよ」と言わずに、むしろ「あなた」ではなく、神と周りの人々を愛することが一番、重要な聖書の教えだよと説いたのか?
神が人間を奴隷のようにコントロールしたのでもなく、そのような優しい人が集まった宗教を作りたかったわけもなく、もちろんそれが良いことですが、それ以上に、神を愛し、隣人を愛することで、私たちの究極の欲求が満たされ、幸せになるからです。
20世紀後半当時の社会を調査したマズローは、この段階に達しているのは全人口の2%ほどと述べています。
多くのビジネスは第5段階までの欲求を狙ってビジネスを展開してきました。
しかし、これからは違います。生まれたときからピラミッド階層のすべてが満たされている、新しい世代が出てきているからです。
この新しいニュージェネレーションは物質的な価値よりも精神的な価値を求める層でもあります。
高級車、マンション、高級時計…などの所有欲よりも、というより、生まれた時からこうした物質的な豊かさに恵まれているため、心の豊かさや精神的な幸福に価値を置きます。
精神的な心の豊かさも満たした、ピラミッドの5層全部が満たされた彼らが成長して社会の担い手となってきた今、自然に第6層の欲求を満たす行動へ赴くことになります。
休日を利用して災害被災地へボランティア作業に赴くビジネスパーソン。
恵まれない環境の子どもたちのために活動する大学生。
孤児院や養護施設に寄付をする匿名の誰か。
直接的な見返りのためでなく、コミュニティのためという大きな目的で貢献しようという層が確実に育ってきています。
それが、最近のオンラインサロンや、クラウドファンディングなど、新しいコミュニティやお金の使い方の形が生まれる背景です。
実は、この自己超越欲求こそ、聖書の価値観。「神の国」の価値観なのです。
つまるところ、神を愛し、隣人を愛する価値観なのです。
すでに聖書に書いているということです。
なぜ、神は人類に「この地球を管理せよ」という使命を与えられたのでしょうか?
神は仰せられた。「さあ、人をわれわれのかたちとして、われわれの似姿に造ろう。こうして彼らが、海の魚、空の鳥、家畜、地のすべてのもの、地の上を這うすべてのものを支配するようにしよう。」
聖書(創世記1:26)
それは、仕事という手段を通して、神を愛し、隣びとを愛するためです。
神が造った世界を大切にすること。みんなが安心して住めるようにすること。
ここに、神の国の拡大が実現します。
神を愛し、隣びとを愛するという神の国の価値観によって、神の国が広がるのです。
その時、ほとんどの場合、私たちは仕事を通して、周りの人のためになることを実現するのです。
世の中の職業を見てください。
ほとんどの仕事が、自分だけじゃなくて、他の人のためのサービスになっています。
農業で、自分が食べる以上に収穫すれば、周りをいかします。
一人なら、一人で野菜、米、果物を少しずつ収穫しないと、いろんなものが食べれません。
でもさまざまな農家が、分業してくれているので私たちは自分で作るよりも安価で、楽にスーパーで買えるのです。
漁師もそうです。
また、その収穫物を工業で加工してくれる人。食材を流通する人。
料理人もいます。
食べ物だけじゃなく、スポーツ選手は私たちに夢を与え、お笑い芸人は笑いを与えてくれます。
医者は病気を治すことを手伝ってくれ、先生は勉強を教えてくれます。
地球環境を考えてくれる人もいるし、動物を保護する人もいます。
なので、知らず知らずに、私たちの仕事は、他の人の役に立っていて、社会のためになっているのです。
その時に、大事なのが、聖書の神の国の価値観。
神を愛し、隣びとを愛するという価値観なのです。
これがないと、使命を果たすために、手段を正当化してしまいます。
ブラック企業のような搾取や労務問題、チャイルドレイバー(児童労働)も起こります。
飢餓や貧困問題。
未成年の性労働や、誘拐。
絶滅する動物が現れたり、環境問題が進んでいきます。
みんなが幸せな社会を築き、維持できるように、あなたの才能、能力や時間、お金、あらゆるものを駆使していく。
一人一人が、神の望まれることを選択し、神の造られた尊い人のために働く時に、私たちは幸せな社会を築くことが可能になると聖書は言っているのです。
まとめ
それでは、今日の話をまとめましょう。
「私たちが仕事をする上で重要な聖書の価値観とは何か?」
一言で言うならば、神を愛し、隣びとを愛するという神の国の価値観です。
これが、「マズローの欲求5段階を超える究極の欲求」の正体です。
「自己超越」欲求という段階。
自己満足ではなく、神と隣人の幸福のために働きたいという欲求です。
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次回は、「天職は存在する?あなたに合う仕事は何なのか?について聖書から説明します。
乞うご期待!